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僕が足元にくっついて離れないピーちゃんの頭を撫でていると、ファウが話しかけてきた。
「よかったな。竜騎士団団員見習いになれて」
「うん。・・・ってどうしたの?僕にそんな優しい言葉をかけて」
「お前が俺の言葉を信じてくれたことをポムから聞いた」
「残念ながら、僕が竜の卵を見つけた訳じゃないよ」
「あの時、俺の言った言葉を信じてくれたのが嬉しかったんだ。ありがとな」
「どういたしまして。こっちこそごめんね。僕のせいで見習いに格下げされてしまって」
「まあな。だが、もういいさ。自分の竜が言うこときかないんだ。あのままだと、どうせ見習いになってたさ」
「言うことをきかないの?」
「ああ、思うように操れない。俺のどこが悪いっていうんだ」
「まだ竜がファウに慣れてないだけじゃない?素人意見だけど」
僕の言葉にイライザーが頷いた。
「ロファ、いい線いってるな。ファウはまだ竜との信頼関係がきずけていないから、竜に乗れないんだ」
イライザーの言葉にファウがうなだれた。




