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母さん・・・。
1人残された母のことを思うと、自然と涙がこぼれた。
「半年だっ!うお!?」
「1年よっ!って、なんで泣いてるの!?」
言い争っていたポムとベリーが、僕の異変に気づいた。
「あ、僕泣いてた?ごめん。母さんに半年以上、会えないと思うと、涙が勝手に出てきちゃって」
「ロファ」
ベリーが僕の肩に手を置いた。
「お母さんにはもう知らせてあるわ。あなたが子竜の親代わりになったこと。竜騎士団団員見習いになったことはまだ知らせてないけど、それはロファが伝えなよ。それから、ロファから会いに行くことは出来ないけど、向こうからなら会いにこれるから、寂しくないと思うけど」
「向こうから?」
ポムが笑った。
「母親が宿舎に出向けば、いつでも会えるってことだよ。そういえば明日着替えを持ってくるって言ってたな」
「そっか。なーんだ」
僕は流した涙をごしごしと手で拭いた。その際にピーちゃんを起こしてしまって、顔をベロベロと舐められてしまった。




