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僕達が竜騎士団本部を出ると、緑色の物体が僕に向かって突進してきた。
「ピギャー!ピギャー!」
緑色の物体、子竜は鳴きながら、僕の胸までよじ登ると嬉しそうに僕の顔を舐めた。僕は両手で抱き締めてあやしていたら、スヤスヤと眠りについた。
「おー、寝かしつけるなんて、手慣れてるね」
ベリーが子竜の寝顔を見ながら、言った。
「そうかな。揺らしてるだけだけど」
「寝つきがいいんだな。この子竜は」
ポムも子竜の寝顔を覗き込んだ。
「ロファ、この子竜につける名前は決めたのかい?」
ベリーが尋ねた。
「まだだけど」
僕がそう言うと、ポムが良い名前をつけてやれよと言った。
良い名前か。どんなのがいいかな。ピギャーと鳴くから、ピーちゃんでもいいかな。
「・・・ピーちゃん」
僕がポツリと呟くと、2人は微妙な顔をした。




