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大バザール3日目。
今日は昼から催し物とかあったりして楽しんでいると、竜騎士団団員が往来を行ったり来たりしていた。
しきりに何かを捜すようにキョロキョロしているものだから、僕は声をかけた。
「ねえ、何かあったの?」
「なんでもない。坊主は祭りを楽しんでな」
顔見知りの竜騎士団団員はそうそっけなくこたえると、そそくさと去って行った。
僕は首を傾げながらも催し物を楽しんでいたが、その間もひっきりなしに竜騎士団団員の姿を目撃した。
気になった僕はまた声をかけることにした。今度は比較的に仲が良い団員イライザーに話しかけた。
「ねえ、何かあったの?」
「ロファか。・・・竜の卵が何者かに盗まれたんだ。ついでに見習いも行方不明なんだ。ロファ、何か知ってるか?」
「知らないよ」
「そうか」
イライザーはじゃあなと言うと、忙しなく去って行った。




