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ファウの目線の先には、僕がいた。その視線は外されることなく、僕だけを捉えていた。険しい顔で逃すもんかというように、こちらに大股で近づいてくる。


僕は何やら殺気めいたものを感じて、足が動かなかった。


すぐに距離を縮めたファウは、僕の胸ぐらを掴んだ。


「聞いたぞ!お前のせいで俺は竜騎士団団員見習いになったんだってな!どうしてくれるんだ!やっと団員になれたってのに邪魔しやがって!俺に何の恨みがあるってんだ!」


僕は掴まれている手を振り払った。


「恨みならあるさ!竜のペンダントだよ!それは僕の物になるはずだった!」


「これか!これのせいで俺は見習いに格下げになったのか!こんな物、お前にくれてやるよ!」


ファウは竜のペンダントを首から外すと、僕に投げつけた。

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