駄目な僕
彼女は(冷泉)倒れている男たちの手を縛り逃げないよう式魔に見張らせていた。
「で、さっきから隅で見ているのは誰?」
ハッキリとした声でそう問いかけられる。もう逃げれないと思いそっと出て行く。
「すいません・・・通ろうとしたらなんか通れなかったんで・・・」
「ゴミ当番なの・・巻き込まれたくなくて私たち・・・」
「そこの君・・熱海 響斗でしょ?夏一族の恥ともいわれてる」
冷たい鋭い氷が刺さるような気がした・・・
「恥だなんて・・・響斗はすごいわよ!なにも知らないあなたに言われたくはない」恋花は強がって言う。響斗は黙って立っていた。
「知らないわよそんなこと。海火の娘さんにはわかるかも知れない。けど、世間ではそう言われてる。だって得意魔法しかできないじゃない」
「でも!」
と海火が言いかけたが・・・・
「そうさ。僕はただの人間同然さ・・・もういいよ海火・・・」
コツコツ 「そう?あなたには秘めたる力がある気がしたんだけど」
明るい声が響き渡る。現れたのは風紀委員長 霧風 香穂梨 ショートに片目に前髪をかけたヘアスタイルをしており かっこいい と評判な先輩。
二人の前に立って、話し始めた。
「なぜ、誰も委員会推薦しないのかずっと不思議だったのよ・・・」
その後ろでは、霧風についてきた風紀委員が3人の始末をしていた。
「今年委員長になってから、声かけたかったけど、忙しすぎてね・・・」
彼女は悠々と語る。
「どう?この際、風紀委員にならない?」
突然の誘いに驚く響斗。そこに慌てて冷泉が言う。
「ですが・・・先輩彼はなにもできません!」
「そう?やってみないとわからないかもよ?ねぇ?」
そう言われ冷泉は少し苦い顔をする。
「冷泉さんの言うとおりです。先輩、僕はなにもできません」
「そんなのいいから。いつでも来なさい。いくわよみんな」
歩きき始めた風紀委員の人たち。だが冷泉は立ち止り振り返る。
「よかったわね・・・先輩に誘われて。」
そして彼らは去って行った。
「どうするの?響斗・・・私は賛成よ。入った方がいいわ」
「いや、僕は今度丁重に断るよ・・・」
響斗は気にしていなかった・・・自分のことを。なぜならもう言われ慣れたことだから。彼が中学に上がる前まではなんとなくできていた魔法。だが、
小学校6年の時姉が事故で魔力を失った。それから・・・
魔法をなるべくつかわないようにしよう
姉だけなんて可哀そうだ。そんな思いから考えたことがことを呼び、気づけば周りから できそこない
と言われつづけた。 いいんだ魔法なんて
夕方いつものように施設に行く。 人間成育学園 そこは 生まれつきまたは事故により魔力を失った子が通う学校。 20まで寮付きで勉強できるとこ。そこに今も姉はいる。
「こんにちは」
「こんにちは。今日も面会ね!」
そうしてスタッフの人に連れられ歩く
「うれしいわ。こうやって来てくると 普通はこないから・・・」
この社会はほとんど 魔法 魔法が使えないと暮らしにくい。だから魔力のないものは自然的に社会からはずされる。本人は望んでないのに。
ガチャ ドアを開けると姉は笑ってそこにいる。
「うれしいわ響斗。いつもありがとう」
「いいんだ。それより今日風紀委員に誘われたんだ・・・」
いつも悩みを姉に言う。今日はこの悩みについて話し出す。
次回は姉との話の続きです。