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新しい仲間
午後になりパイプをまとめていると、
先輩がまだ幼い感じの男の子を連れてきた。
「おーいみんな、新しく入った上総茂一だ。16歳だから、一番マサと年が近いな。色々教えてやってくれな?」と言われると、雅輝はしっかりと頷いた。
まだ不安そうな茂一と一通り現場をまわると、雅輝はふと思い出したように
「何かあったら、いつでも言いなよ?。
毎日来れる訳じゃないけど、いる時は教えるし」と言った。
茂一はその言葉に頷くと、元気よく「はい!」と笑った。
それから仕事が終わるまで側について教えると、素直な性格なのか仕事をすぐに覚えたいった。仕事の合間の休憩などに話をすると、底抜けに明るく人懐っこい性格というのもわかった。
それから毎日一緒に仕事をするうちに、いつのまにか「マサさん」「いち」と呼びあうようになっていた。茂一は雅輝といることで、他の先輩たちとの輪にも自然に溶け込んでいった。