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おっかない教頭先生

カズオは左手の中指と人差し指に絆創膏を貼っていた。紺色のセーラー服には三本の白ラインの襟と校章刺繍の胸当て、左ポケットの上には「小川」のオレンジ刺繍、白スカーフを靡かせ、スカートをヒラヒラさせガニ股で歩いていると黒の詰襟学生服に学生ズボンを内股にして、


「あんた、遅かったわね…」


「メシの支度させられたてよ…ほら!!」


怪我した指を見せ


「あんた、女の子らしく歩きなさいよ…」


カズオがまた、ガニ股で歩きスカートを自分で捲ると


「ほらっ!!」


「ブルマ―、昨日まんまじゃない!! ブルマ―もちゃんと穿き替えてよね」


「どおりでションベン臭いと思ったよ」


バシッ!!


「まあっ!! エッチ!! あたしのブルマ―嗅いだのね… あんたとは絶交よフンだ!!」


チエはカズオのほっぺたを引っ張っ叩き、プイッと後を向き速足で歩いた。カズオは学生服のチエを追いかけて


「おい、待てよ… ゴメン済まなかったよ…」


「フンだ!! あんたなんか嫌いよ!!」


教室


「おはよう!!」


「あっ!! おはよう!!」


チエが一夫の机に座るとムスッとした顔していた。


(山本君のバカ、あたしのブルマ―なんか嗅いだちゃって!! 男の子ってなんてエッチなのよ…)


「ようっ!! 一夫、オスッ!!」


悪ガキの金子がチエの肩を叩いた。


「…」


「一夫何、無視してるんだよ!!」


ガラッ!!


「起立!! 礼!! 着席…」


担任の吉永洋子先生が入ってきた。


「今日の廊下掃除の班はどこですか? 班長は?」


小声でチエが


「あなたよ…」


カズオがびっくりして起立した


「オレいや私です…」


「小川さんですね!! 廊下掃除しましたか? 廊下にゴミが落ちていましたよ。罰として職員の便所掃除をすることわかりましたか?」


「はあい…」


ゲラゲラ ゲラゲラ


(カズオちゃんのバカ!!)


吉永先生の授業は数学、金子は机の陰に隠して「少年ジャンプ」を読んでいた。それを見た通路を挟んだ机にカズオは小声で


「おい、金子!! そのジャンプ今日発売かよ?」


「なんだよ小川… 先公にチクる気かよ…」


「とんでもない、見せろよ!!」


先生がツカツカと近づいてくると金子はさっと机の中に隠した。


先生はUターンして教壇に戻り黒板に問題を書いた


「これできる人」


学生服のチエが手を上げるとクラス中がどよめいた。


「あらっ!! 山本君珍しいわね…やってみて」


黒板にスラスラと答を書くと


「山本君正解!! すごいじゃない…やればできるじゃない!!」


「おい、一夫のやつ!! どうしたんだい? 急に頭良くなってよお…」


金子と福沢がコソコソ話した。


「じゃ!! 秀才の小川さんのこの問題やってみて。簡単よね…」


X2+4X+12=0


カズオにとってちんぷんかんぷんだ。


セーラー服姿のカズオはチョークを握ったまま固まってしまった。


「小川さん、どうしたの? 具合が悪いの? 席に帰って…」


(カズオちゃんのもうバカっ!! あたし恥かいちゃたじゃないの。もう絶交だわ!!)


チエは呟いた。


昼の罰当番でカズオは職員便所の掃除をしていた。赤いスカートのマークの女子用便所に入って水をバケツに汲んだら、個室の中から


ブリブリ ブゥーウ!!


と誰か腹を下してる音がするではないか。


(誰だろか? よしからかってやろうと)


バケツの水を個室の上から


バシャーン!!


「キャア!! 誰ざんす!!」


個室から何とワンピースがびしょ濡れの教頭先生が出てきて


「やったのたはあんたざんすね!! 職員室にいらっしゃい…」

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