千恵の家
4月の夕方は日が暮れるのが早く辺りは真っ暗だ。セーラー服姿のカズオは「小川」の表札の門をくぐり、
ガラガラ…
玄関の戸を開けると千恵のお袋が仁王立ちし
「千恵!! こんな遅くどこほっつき歩いていたの? ぐずぐずしないで台所に行きなさい!! お夕食みんな待ってるのよ。まあっ!! 制服なんて着方なの女の子なんだからちゃんと着なさい!!」
「はあい…」
セーラー服の弾けた胸当てのスナップを留め、捲れた両袖を伸ばし、白の紐の付いたスクールシューズを雑に脱ぎ玄関を上がった。台所に行くと千恵の姉貴らしい人が二人いた。その姉貴二人にお辞儀をした。千恵ん家は三人姉妹で千恵が末っ子だった。姉貴二人は不思議そうな顔で俺を見た。
「はいはい、お父さんは仕事で遅くなるから先にお夕食いただきましょう」
ガツガツ クチャクチャ
ガツガツ クチャクチャ
ズーウッ カチャカチャ
カズオの食べっぷりに千恵のお袋と姉二人が呆れた顔をしていた。セーラー服の袖は捲れ、口の周りはご飯粒が付いていた。
「ご飯、おかわり!!」
「千恵… あなたご飯6杯目よ、もっと女の子らしく食べられないの? お行儀良く食べなさい!!」
千恵の小さな茶碗じゃカズオは足りないのだ。
プルプル プルプル…
「千恵!! ちょっと電話出てちょうだい!!」
プルプル プルプル…
「もしもし…」
「あっ!! あたし、チエよ!!」
「わかるよ、オレの声だもん!! そっちは上手くいってるか?」
「うん、上手くいってるわ!! そっちは?」
「うん… まあまあってところかな…」
「乱暴な言葉使いしないで…」
「そっちこそ、ねとかわとかオカマみたいな気色悪い言葉使うなよ!!」
「わかったわ、あたしもういや!!」
「何だよ…」
「あれって形変わるよね… 」
「あれって!?」
「おしっこの出るところよ… おしっこした後紙で拭いたら何となく形が…」
「バカっ!!」
カズオを思わず台所に響くような大きな声を出し、小声で
「そんなもん二三回振り回して滴をきってしまえばいいんだよ!! 変なことすんなよ」
「わかったわ… でもあなた方は紙をちゃんと使ってよ…」
「一夫!! ごはんよ…」
「あなたのママが呼んでるわ…」
「じゃ、切るからな!!」
一夫の家
一夫の父と母、それに詰襟の学生服姿のチエが正座してちゃぶ台を囲んでの夕食。父はジョキにビールを注ぎグイっと飲み干すと
「一夫!! 元気がないな、腹が痛いんか? そう言えば便所でしゃんでばかりいたな…」
チエの前の大きなどんぶり茶碗に山盛のご飯に進まないのを見て
「あたし… いやおれ、なんでもないわ…ないよ」
「言葉がおかしいのう…」
「いえ、一夫はクラスの小川千恵という変な女の子のせいなんですよ… 今日、その子がきていきなり男言葉使って…」
「そうか… 小川千恵か… ところで、わしは会社で辞令が出たんだ課長に昇進だ!!」
「それはおめでとうございます!!」
「それでだ、まあ6月頃に栄転の話が出て正式な辞令はまだ未定だ!!一夫、転校の準備だけはしておけ!!」
(えっ!! うそっ!! 転校?)
「一夫、早目部屋片付けときなさい…」
「はい… あたしいやおれ寝たいわ…」
「ご飯、こんなに残して、パジャマに着替えるのよ!!」
「はあい、おやすみなさい」
千恵の家
「千恵がそんな子とは思わなかったわ… キャハハハ…」
一番上の姉が笑っていた。
「今日、学校でチエいや山本一夫のヤツに突き飛ばされ、気がついたらセーラー服を着せられたんだよ…」
「また、ホラ吹いて」
「千恵ったら、山本君という男の子を突き飛ばして、男言葉使ってびっくりしちゃったわ…それで山本君がいきなり家に上がりこんであたしは千恵よわんわん泣くもんだから私が家に帰りなさいと言ってもあたしは千恵よあたしは千恵よ… そこに千恵が帰ってきたのよ…」
「へえっ… そんな事あったの?」
カズオは小便がしたくて便所を探していた。便所は廊下の突き当たりにあり、便所に飛び込んだ。セーラー服のプリーツの巻きスカートを尻まで捲り上げ、黒いブルマとパンティを膝までずり下ろし便器を跨ぎ腰を下ろした
シャーチョロチョロ
股から気持ち良く小便をしていると
ガチャン!!
「千恵ったら!! おトイレの鍵かけなさい!! みっともない」
セーラー服にスカートを捲り上げ尻丸出しの姿を千恵のお袋に見られてしまった。カズオは紙で股を拭きなから…
(男っていいよな、二三回振り回してしまえばいいんだから…)
カズオは千恵の部屋に入ると、思春期の女臭い匂いに鼻をついた。
「うわっ!! 女臭い部屋だなあ…」
机に洋服タンス、鏡台、ピアノに可愛らしいベッドがありいかにも女の子の部屋だ。
カズオはセーラー服のままベッドに寝転がったが千恵のお袋がきて小言を言った。
「まあっ何ですの制服のまま寝転がって… ネグリジェに着替えなさい!! 寝る時は電気を消すのよ…」
カズオは洋服タンスからネグリジェを引っ張っ出し、セーラー服の上着を脱ぎ捨て、ブラジャーを無理矢理外し未熟な小さな胸を曝し巻きスカートを脱ぎ捨て、ブルマを脱いで純白なパンティ一丁になった。片手にブルマを持って鼻に近づけては
「うわっ!! ションベンくせいや!!」
と千恵のブルマを投げ捨てた。
俺はネグリジェをまじまじと見ては着てベッドに大の字に寝た。