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YouTubeの収益化停止祭りとなろうのAI小説論争

作者: 雨音志穂
掲載日:2026/05/11

「AIが悪いのか」ではなく、「AIに使われていないか」を問いたい。

 小説家になろうで投稿されている皆さんの作品を、いつも楽しませてもらっています。

 普段から楽しませてもらっている読者の一人として、また YouTubeの方で多少シナリオを書いている者として、AI論争について少し考えを書かせてください。


 時間をかけて書いた作品がクリック一つで量産されたものと同じ棚に並べられる理不尽さは、なめられた気分になって当然です。


 ただ、問題はAIそのものでしょうか? それとも、AIに任せきりの(感情が薄い)作品でしょうか?


 YouTubeでも似た話がありました。先日「多くのチャンネルの収益化が停止された」という話題が広がり、「AIで作った作品がまとめて止められているのではないか」という声が出ました。

 ですが、YouTubeが本当に問題にしているのはAIそのものではありません。

 問題にされているのは、見る人にとって楽しくないもの、学びにならないもの、同じようなものを何度も使い回しているように見えるものです。


 止められているのは「AI作品だから」ではなく、作品としての価値が弱いから(「こんなのにうちの広告を載せたくない」とスポンサーが離れるのを恐れているから)なのです。


 ちなみにYouTubeには申し立ての道があります。台本、編集の経緯(依頼状況)。そうしたものを示すことで「これは使い回しではなく自分の作品です」と伝えられます。精査の後「きちんと製作者が真剣に作っている」と判断されれば、また収益化が復活します。

 なろうもこういうシステムなら運営側が思い切った行動をとれるのでしょうが、「処分に異議を申し立てることはできない」と規約で定めている以上難しい問題ではあると思います。


 AIの文章は、多くの場合最初から読める形になっています。文法も整っているし、話の流れも一応あります。だから、ぱっと見たときには「ちゃんと小説になっている」と感じます。


 しかし、読んでいくとどこか薄い。まるで無機質な日報を読んでいるような気分になる。感情があるようで、心に刺さらない。キャラクターが怒っていると言われても、その怒りが体に伝わってこない……。(淡々とした文章が持ち味の方もいらっしゃいますし、苦手な方もいらっしゃいますので、AIの証明にはなりませんが)


「それらしい(予測範囲内)」と「面白い(予測誤差が良い方向にある)」は違います。

「面白い」は刺さらない層には欠点であり、「誰からも評価される(予測範囲内)」を目指すAIには苦手な領域です。ポリコレで雁字搦めにされた作品をイメージしてもらえれば、感覚としてわかると思います。


 この「体に伝わる感じ」を、臨場感と言います。まるで自分がその場にいるように感じること。AIはこの臨場感を作るのがまだ苦手です。上手に指示すればかなり良くなりますが、その「上手に指示する」部分にこそ人間の力が必要なのです。


 私は、AIが()()()出す文章はだいたい50点から60点だと思っています。整ってはいる……でもそれだけ。読者に「この先どうなるんだろう! ワクワク!」と思わせる力が欠けています。


 そこから70点、80点、90点に引き上げるには、作者の力量と指示が必要です。


 この主人公は本当にここで泣くだろうか?このセリフは少し説明しすぎではないか?このジャンルが好きな読者は、ここで笑いたいのかそれとも胸が苦しくなりたいのか?


 こうした細かい判断はAIには無理があります。

 AIが出した文章を見て「これでいいだろう」とAIに忖度したら、感情はそこで止まってしまいます


 ここで大事なのは、AIに作者になってもらうのではなく、AIを使いこなせる監督になることです。

 AIが頼りになるのは

 イマドキの10代には、この表現は通じるのか?

 最新のニュースを絡めた話を導入するには、この小説の設定でどんなネタになるか?

 こういう考察(ネタ出し)に関する部分と文法&校正です。


 映画監督は、自分一人でカメラを回し、照明を置き、音楽を作り、演技までするわけではありません。多くのスタッフに指示を出しながら、自分の見たい作品に近づけていきます。

 俳優が良い演技をしても監督が方向を間違えれば映画はぼやけます。

 どんな役者を使うかを決めるのも監督の仕事です。

 監督の意図がぶれると作品もブレてしまいます

(ちなみに私は、過去ゲーム会社に勤めていた友人に、「スポンサーの要望を断りきれなかったらゲームがクソゲーになったというのはあり得る話なのか?」と質問し「そんなのしょっちゅうだよ~~」とものすごく色々と力説された経験があります。)


 AIを使う作者もこれに近い視点が必要と思います。AIが出してきた文章に対して「このキャラはそんな言い方をしない」「この場面は説明ではなく行動で見せて」「最後の一文だけ、もっと余韻を残して」と指示する。そのくり返しの中で、AIの文章は作者の作品になっていきます。


 現状では、素人がクリック一つでプロ並みの作品を作れるわけではありません。むしろAIを自分の好みに合わせて動かすために、初期に膨大な時間を使います。


 AI作品がアルファポリスでコンテストを受賞した事例も、この境目を考えるうえで参考になります。その作者はAIとの協業と主張されています、それは「作品の中心をAIに渡したのではない」という姿勢を示しているのだと思います。


 誤字脱字の確認にAIを使う。

 設定の矛盾がないか見てもらう。

 次の展開で悩んだとき、いくつかネタを出してもらう……

 こうした使い方は信頼できる読者仲間や編集者に相談することと少し似ています。「自分の作品を良くするために意見をもらう」という意味では、創作の補助のひとつとなりえます。


 大切なのは、最終稿を決めるのが作者であること。

 AIが苦手とする「読者の感情を動かす」という部分は、作者がしっかりと手綱を取ること。

 エンターテイメントというのは、その先がハッピーであれ泥沼であれ読者・視聴者を引きずり込むものですから。


 たとえば、投稿前にこんなプロンプトをAIにかけてみてはどうでしょうか。

(設定で「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすると、チャット履歴には残りますが、ChatGPTのトレーニングには使われません)


 #あなたは売れっ子のライトノベル作家です。

 #以下の小説の読みにくい点、つじつまが合わない点、文章としておかしい点を5つあげてください。

(小説コピペ)


 これで読者は、演出としての表現なのかミスなのかが判断しやすくなります。

 ただし全ての指摘に従う必要はありません。「こっちの表現の方が面白いんだよ!その修正は整いすぎてつまらない」とNOを突き付けるのも、おもしろさを守るのに必要な事です。

 あと、キリが無いので5個ぐらいで止めておきましょう。


 ランキングに乗るほどの書き手の方なら、AIの文章を60点から90点へ引き上げる力を既に使っていらっしゃいます。

 読者がどこで喜ぶか、どう〆れば続きを読みたくなるか、そういう成功例をすでに使ってブクマやお気に入りを積み上げているからです。


 だから私はAIを使うことで、そうした作者の方々が面白い作品を今よりも多く作れるようになる未来に期待しています。


 その上で、私が一番怖いと思っていることを最後に書かせてください。


 それは()()()()()()()()()()()()A()I()()()()()()()()()()A()I()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()です。(実際アルファポリスでAIを使った作品で受賞された方は、YouTubeの方に活動を移されています)

AI警察が行き過ぎてしまうと「他のプラットホームに行こう」と思う書き手の方が出るかもしれません。


 書き手がAIに使われるのではなく、AI監督になる。AIが出した文章を正解にするのではなく、自分の望む物語に近づけていく。

 そうすることによって、なろうなどの小説界隈が盛り上がっていくことを私は願っています。


排除したいのはAIですか?質が低い作品の大量投稿ですか?

 AIも色々あります

 perplexityで「(ネタ)に関するurlだけを10個出して、解説は不要」でネタを集め

 NotebookLM に放り込んで要約してもらう

(ネタurlや PDF を入れる必要はあるが、分からない事は「分からない」と言ってくれる、私は規約やガイドラインやよくある質問などを入れたページを種類ごとに作っています)

 

 ちなみにこの文章はAqua Voiceという文字起こしAIを使っています。無料分が使い切りなのが欠点ですが、マイク付きヘッドホンの3000円ぐらいのものを使えば、ささやき声も拾ってくれるので風邪をひいたとき、熱があるときなどもささやき声で入力ができるのが助かってます。

(創作で使うと誤字祭りなのが玉に瑕、試作霊場(子爵令嬢)とかW)


 

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