お金
ここは東京都東京市東京区東京にある東京高校の2年19組。
「今日こそチーナ=チョチョミさんに告白するぞー!」
1番前の真ん中の席(問題児だから1番監視しやすい席)で手嶋 黒猪木後半(あだ名は手ブラ)が叫んだ。チョチョミは417553組の教室なのでどれだけ叫んでも聞こえることはないが、クラスの仲間たちには当然聞こえている。
「ヒューヒュー、青春だね〜」
親友の炭酸水だ。
こうやっておちょくるだけおちょくって、アドバイスなどは1度もしたことがない。
「ラブレターなんてどうかしら」
親友の蛇だ。
なぜか同じ高校に通っているが、紛うことなき蛇である。手ブラにいつもアドバイスをくれる。
「プレゼントはどうかな」
後藤クリニックだ。
個人病院を4つ経営しており多忙なため基本学校には来ないが、異常な聴覚で手ブラの叫びを聞きつけてアドバイスをしに来る。こいつは別に親友じゃない。
「それより金だ。この世は金が全てなのだよ」
親友のデスダーク闇殺人だ。
確かにチョチョミはいつもお金がないと嘆いていた。過去にはパチスロで苦しみ、酒に溺れたが、それでも飼っているキリンだけは不幸にさせまいと頑張ってきた。その姿に手ブラは惚れたのである。
「でもやっぱラブレターがいいと思うの」
蛇の『絶対に自分の意見を通すモード』の前兆である。この先の2、3のやり取りで彼女は激怒し、歯向かうものを丸呑みにし始める。そう、彼女は大蛇なのだ。
「みんなありがとう! 417553組の下駄箱にラブレターを忍ばすよ!」
(みんなっつっても蛇だけどな)と病院を抜けてきた後藤クリニックを始め全員が思った。
(今日犬飲も)と蛇も同時に思った。
〜15時間後〜
「ウッフ〜ン、アタシ、今日も疲れちゃったァ⋯⋯アアアア!!!!!!!!!!!!! さっさと帰ろっと!!!!!!」
チョチョミが白魚のようなおててを下駄箱に伸ばすと、なにやら手紙が入っていた。
「えっ、これってもしかして!」
封筒には「チョチョミさんへ」と印刷されていた。
「印刷ラブレター⋯⋯?」
胸をドキドキさせながら、チョチョミは人生初のラブレターを開封した。
『パカパカパカパカ( *´ω`* )パカパカパカパカ』
これだけが印刷されていた。
チョチョミはラブレターを胸に抱きしめ、涙を流しながら小さく「こちらこそ⋯」と笑った。
翌日、学年全員からの御祝儀で資産が155億円となった手ブラチョチョミ夫婦は、キリンに服を買ってあげることにした。
「これでやっと散歩に行けるね!」
「やっぱりお金って良いね!」
犬に服を着せて散歩させることに抵抗のある人間は多くいる。
が、キリンは致し方ないのだ。
キリンはぺニスが、リアルすぎるのだ。




