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第87話 視察再び

 生徒会1年組で頑張ろう、と言う話をした翌日。


 どういうわけか、俺はゲーム部にいた。


「あ、視察の人だよね。話は聞いてるよ。この前も来てくれたよね? 改めて部長の佐藤です」

「えっと、よろしくお願いします」


 どうしてこうなったのかを考えてみる。

 放課後生徒会室に行った俺を待っていたのは稲生会長。昨日遅刻しかけたので早めに行ったのだが、間違いだったかもしれない。


「悪いがゲーム部の視察に行ってくれないか?」

「……え?」


 一応誰でもいいわけではなかったらしい。会長的に、俺が適任だと判断したとのこと。


「報告会の時乙崎もゲームをするって言ってただろ? 冨田に聞いたらパソコンも持ってるらしいじゃないか。俺たち、何気にそういうのに詳しい奴いなくてな」

「でも、報告会で言った通り問題はなかったと思いますよ?」

「まあそうなんだけどな? 新しい部活のくせに部費が多いって生徒からも先生たちからも詰められてるんだ。しっかりとした報告をしてほしいってな。乙崎は視察して、見たことを教えてくれたらいい。報告書とか面倒なことはこっちでやる」

「えぇ、まあ、そういうことなら」


 一応ゲームをやらせてもらったりしてもらってもいいと言われたが、俺がやりたいですなんて言いだせるわけないし、やらせてもらう理由も――


「生徒会も大変だよね。まあ、僕たちが新参者だから冷たい目向けられてるってのは、理解できるよ。見てるだけじゃ暇だよね。時間はあんまり多くないけど、よかったらゲームしてってよ。えっと」

「乙崎です」

「そうそう乙崎君。君はゲームやるんだもんね? 好きなタイトルとかある?」


 ……俺はどの枠組みにも収まりはしない。だからこの人と同族とは思ってなかったけど、ゲーム好きって陰キャでコミュ障の3軍じゃないのか。なんだこの慣れた感じは。まさか気を使われた上に施されるとは。

 高校生も3年となればある程度鍛えられるということか。それとも、部長という立場がそうさせるのか。じゃあ俺も生徒会でい続ければ社会的地位とコミュ力を手に入れられるのか? 岩の上にも3年ってやつかもしれない。

 多分違う。


「一応僕たちの部活の活動内容について、もっと詳しく教えてくれって海斗には言われてる。実際に見せながらの説明でいいかな?」

「お願いします」

「じゃあまずは――」


 って感じで説明してもらった。まあなんとなく想像してた通りではあった。人ごとに担当のゲームがあって、試合出場のために練習をしている。デスクトップを触れるのは学年が上の人だったり実力がある人。

 今一番力を入れてるゲームは5対5の爆弾ゲーらしい。流行ってるし分かる話ではある。あとは3人一組のバトルロワイアルとかその辺。しかし、ミスガンはいないか。そういえば昨日のあいつはどこに――


「お、竜輝来たな」

「はいっす……あれ、ナイトルーン?」


 噂をすればとはまさかにこのこと。

 この前のフード君が、重役出勤で現れた。

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