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第84話 偶然の出会い

「よるっち知り合い?」

「いや……」


 今俺たちの目の前にいるのは少し小柄な男子生徒。フードを深く被ってるから顔はよく分からないけど、俺に話しかけてきたのは間違いない。が、声を聴く限り知り合いではない、はず。

 って、待てよ?


「ゲーム部の人、ですよね? この前来てた」

「ん。それよりさ、ミスガンやってるんだろ? ランクは? 得意武器は? プレイヤーネームはなんだ! もしかしたらしってるかも!」

「お、おう……落ち着いてください」


 どうやらミスガンの同志らしい。興奮する気持ちはまあ分からんでもない。プレイヤー人口めっちゃ少ないし。だいぶマイナーだし。


「あ、ああ悪い悪い、珍しかったからつい。で? プレイヤーネーム、なんなんだ?」


 落ち着け、と言ったおかげで少し息を整えたが、なおも詰められている。フードの中身も少し見えて……思ったよりも幼い? 思い返してみれば声もだいぶ高いし。


「名前ならナイトルーンだ。一応最高ランクには到達してる。得意なのは――」

「マークスマンだろ! マークスマン専でミシオ大会準優勝のナイトルーンだ! すげぇ!」

「お、おう……」

「よるっち知り合い?」

「らしいな」


 実際最近のミスガンはランクを回せば知っている人としかマッチングしない。得意武器とか功績まで知られてるのはちょっと怖いけど。


「俺、俺ドラゴン。ローマ字でドラゴン!」

「ああ! 最近よく会うな」


 確かに覚えてる。ランクを回していると時々会う、ショットガン使うのが上手いやつだ。……ちょっと待て、俺もしっかり得意武器まで覚えてるじゃねぇか。やばいなあのゲーム。


「覚えててくれたか! 嬉しいもんだな!」

「まああのゲームは人少ないし……と言うかサービスが終了しかけてるし……もっと言えばゲーム外にまともなコミュニティはないし」

「そうなんだよなぁ。誰もやってないし進めてもやってくれないし。でも、こんな身近にやってるやつがいるなんて! なあ、ゲーム部はいれよ! 一緒にやろぉぜ! ミスガン!」


 あ、相変わらず押しが強いやつだな……。こんな勢いで迫られると多少成長したとは言え困ってしまうのが俺。どれだけゲームが上手かろうと対人スキルはカスである。のくせに目の前のこいつはゲーム一筋っぽい感じなのにこの喋りよう。神様は不平等らしい。


「あぁ、悪い。今は生徒会の仕事があってな。部活は入るつもりない。でもミスガンならやれるぞ」

「ホントとか⁉ じゃあ連絡先交換してくれよ! フレコ送るから!」

「分かった。暇な時誘ってくれたら、一緒にやろうぜ」

「っし! 約束だからな!」


 そのあと連絡先を交換して、俺たちは生徒会室に向かった。


「あ、そういえば名前聞くの忘れた」

「ほんとだねー。まー聞けばいーんじゃない?」

「そうだな」

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