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第60話 お昼ごはん

 変な気分になりかけたお化け屋敷をどうにか終え、外へ。

 いろいろな文句を言われながら、次は何をするかと考える。面白そうなものはないかと見渡していると、ふいに、ポケットの中のスマホが震えた。


「ん? ……莉弧?」


 着信だったので、立ち止まって出てみる。


『――さー、どーする?』

「え? なんて?」

『お、ひ、る、ご、は、ん! どーする⁉』

「あー」


 周りがうるさくて聞こえにくいのを察してか、莉弧が大声を張ってくれた。

 なるほど、そろそろ昼飯の時間か。妃奈にも聞こえるようスピーカーモードにして耳に近づけてやる。


『西のほーにあるレストラン? がよさそーだって湊が言ってるよー』

「じゃあそれでいいんじゃないか? 妃奈は?」

「はい、私も問題ありませんよ」

『おっけー! じゃーそこでしゅーごーね!』


 と、それだけ言って莉弧は通話を切った。

 俺たちは取り合えず地図を探した。ちょっと歩くと見つかって、現在地を確認したのちレストランに向かって出発した。


 10分くらい――妃奈とあっちだろ、いいえあっちです、と言いあいながら迷っていた――歩いたところで、ようやく目的地が見えてきた。


「ほら、私があってたじゃないですか」

「いやいや、遠回りしたんだって」

「まだそんなこと言っているんですか? 地図を見てください。ここ、どう考えたって――」

「あ、おーい! ひなっち! よるっち! こっちー!」


 途中でもらったパンフレットを覗き込みながら口論していると、聞きなれた声に名前を呼ばれた。

 2人して地図から顔を上げたところで、こちらに手を振る莉弧と、隣に座っている湊の姿が見えた。どうやらすでにベランダ席を取ってくれているらしい。ちょうど4人用の席に、すでに飲み物が4つ分置いてあった。


「やっときたー。どこにいたの?」

「飲み物、どれが好きか分かんなかったけど頼んどいたぞ」

「すみません。ちょっと迷ってしまって」


 遅れたことの説明は妃奈に任せて席に着く。まだ湊に対してため口で会話をするのは慣れないんだよなぁ。そんな中に莉弧でため語でしゃべると湊だけ不仲みたいになりそうで怖いし。

 なんだかんだ、4人集まってしまったときはまだ黙ってることが多い気がする。どうにかこうにか、湊とも距離を近づけたほうが楽そうだよなー、と思いつつ。

 

 料理を注文し始める流れになったのでとりあえず右に倣え。

 メニューに一番大きく書かれているのを選んでみる。なんでも一番人気らしい。間違いはないだろう。

 それから午後から何をするか、なんて話をしているのを聞きながらご飯を食べた。


 一番人気の称号にたがわず、ちゃんと美味しかったので個人的には満足である。

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