第53話 作戦会議
「とゆーわけで、作戦会議を始めるよ!」
各々が注文――それに伴う撮影会も含む――を終え、どうやら本題が始まったらしい。ちなみに俺はオレンジジュースを飲んでいる。正式名称は忘れた。なんかこう、ちょっとしゃれた感じだったと思う。
「と言っても具体的にはどんなことを考えるんですか?」
「それは、どーやって告白するかとか、告白する前に何かするべきかとか?」
「むーど、の作り方というわけですね。それは重要なことだと思います。映画や小説でも、重要な出来事の前段階こそ花になります」
「まあ、無計画はどうかと思うな」
確かに雰囲気は重要だ。今のご時世、ロインなんかで告白できてしまうからこそ、こだわりたいと思うのならこだわりぬくべきだと思う。
「れぶれたーを送り、校舎裏での告白をするのはどうでしょうか」
「めっちゃいい! けど、ウチの校舎裏ってどこ?」
「そもそも、私たちの高校の下駄箱にはふたがないので、いまいちかもしれません」
「それは……確かにそうですね」
これまた古風な。いや、古風と言うほどか? 分からないけどあんまり時代の最先端ではなさそうだ。
「やはり連絡して、デートして、その最後にとかでしょうか」
「えー? でも、2人っきりで出かけたことなんてないし……デートなんて、恥ずかしーじゃん!」
「そうなんですか? てっきり私、莉弧ちゃんと湊君は私の知らないところで何度も遊んでいるのかと」
「まさか! ウチ、そーゆーことしたことないよ!」
……どうやら俺と出かけたことはデートのうちには入らないらしい。何なら男女2人で出かけたとすら思われていないのかも。
「それは、意外と言うかなんというか。……ですが、そうなると正直私では力になれなさそうですね」
「えー? そーゆわずにさー!」
「私も、恋愛小説の知恵程度しかありません。申し訳ないです」
「ええーっ⁉ よるっちは⁉」
「ここで俺に振られても……」
「なんでー⁉ きょーりょくするために来てくれたんでしょ⁉」
……実は違うとか今更言えない。だって俺、これ以上面倒くさくならないために来たし。というか待てよ? その場合俺もう目的達成しているのでは? 妃奈はこうして協力しているし、雰囲気は悪くない。
まだ良好とはいえないけど、これからどうにでもなる、と思う。この前がおかしかったのだ。少し友好的だったのが異常。今はこうしてニュートラルかそれよりちょっと悪い程度な関係になったのだし、ここから頑張ればいい。
別に、本当に帰ったっていいのでは?
「……難易度が高いという話でしたら、なんでしたっけ、あれです。ダブルデート? というものをやってみればいいのでは? ちょうど、男の人もいますし」
ダブルデートか。確かにあったな。莉弧も前に言っていた気がする。男女が2ペア集まってそれぞれデートする、みたいな。そんなの親同伴とさほど差なんてないと思う――
ちょっと待て、ちょうど男がいるって誰のことだ。
気づけば、3人の視線は俺へと注がれている。
「えっと、俺?」
3人が一斉に頷いた。




