第49話 恋愛相談?
「てかさ」
部屋に戻ろうとした俺を朝紗が呼び止めた。
「夜瑠はその人のこと好きなの?」
「……お前もそれか? なあ、異性に関心を抱いたら好きってことなのか?」
冨田副会長と言い簡単に誰かを好きにさせすぎだと思う。
「だってさ、にぃ、じゃなくて! 夜瑠ってさ、今まで誰にも興味とかもってなかったじゃん。友達ができたって言っても、今までいなくてもよかったわけだしさ。無視されたなら今まで通りじゃないの?」
「それは……確かにそうだな」
「でしょ? だから好きなのかなぁって」
改めて言われると本当にその通りだ。無視されたなら今まで通り。数日前に知り合って、何度か一緒に遊んだりしただけ。関係を断たれたからと言って困ることはない。生徒会の仕事だって、この前喋らないままできたわけだし。
「別に好きじゃないけど」
「何そのツンデレみたいな言い方」
「いや、そういうほかなくて。実際好きじゃないし」
「ならいいじゃん。頓着しなくて」
「それはそうなんだけどなぁ」
なんだかむずかゆくって頭をかく。目を合わせるのも気恥ずかしくて、窓の外を見てみた。
「せっかくできた関係を無下にはしたくないんだろうな、多分」
「本気で言ってる? 友達も作ってこなかったのに」
「だからだよ。今じゃお前とか母さんたちしか関わってる人がいない。だからどうせなら、出来た縁を大事にしたい、んだと思う」
「だと思うって、適当だね」
「仕方ないだろ、自分でもよく分からないんだから。友達なんていたことないんだしさ」
「ごめん、私が言い出したことだけど聞いてて虚しくなるからその言い方止めて」
「言うなよ、悲しいだろ」
「ごめん」
目を逸らされてしまった。妹にまで同情されてしまうとは、さすがの俺でも少し心に来る。
「というかめんどくさいね。普段群れてるやつら馬鹿らしい、って見てるくせに」
「やめてくれ。その言葉は俺に効く」
「今までにさげすんだ陽キャの人数を数えろ」
「今までに食った食パンの枚数よりは多そう」
「普通に多すぎ」
まあ、俺ご飯派だし。とかはどうでもよくて。
「やっぱりそうだよな。面倒だよな」
「うんうん、面倒。だからそんな女のことは忘れて――」
「さっさとけりをつけるべきだよな!」
「――えっ⁉ そうなるの⁉」
結局問題を解決すればいいわけだ。問題を解決して、わだかまりをなくす。そうすれば後はどうでもいいはずだ。つまり、今の俺は出来た縁を大切にしたすぎて踏ん切りがついてないだけ。
「面倒くさい感情全部断ち切って、リセットすればいいわけだ。ゲームと一緒」
「うわぁ……さすが社不。考え方が終わってる」
「別にいいだろうが。問題が解決するなら」
「まあそうだけど……あ、そうそう、ちなみにさ。そのに、夜瑠が好きな子ってどんな感じなの?」
「だから好きじゃない。……どんな感じって言われると難しいな。おとなしめで、真面目だな。でもよく笑うし優しい。あと、皮肉が好き」
「ふーん」
「なんだよ。何が聞きたかったんだ?」
「ちょっと気になっただけ。じゃ、お休み」
それだけ言って朝紗は部屋へと向かっていった。
なんだったんだ?




