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第39話 お別れ

 結局、3時間くらい雨は降り続いた。すっかり夕方だ。


「ありがとねよるっち。なんか、すっきりした」

「問題は、何も解決してないと思うけど」

「うん、確かにしてない。けど、何とかなる気がしてきた」


 適当だなぁ。そういう根拠がない自信、正直好きじゃない。俺なら何でもかんでも心配になって頭抱えてる。でも……そういうのも楽しそうだと思う。いや、はっきり言って憧れる。

 俺も、そういう自信が欲しい。そんな自信があれば、もしかすると、及川さんと――


「あのさっ」

「うおっ、な、なんだ」

「今度、2人と話してみる。何をしてたか」

「……聞きにくいんじゃないのか? 別に、俺から聞いてもいいんだぞ」


 というか、大体のことは分かってるし。もっと言えばこの場で教えたって、構わないわけで。


「ううん、いーの。こーいうのはちゃんと面と向かって話すのが大事なんだよ! お父さんも言ってた」

「そういうことなら、いいんだけど」

「でさでさ、もし2人が付き合ってたらさ」


 なんて言う莉弧は、どこか楽し気。あんな誰もいない場所で俯いていたくせに、本当に切り替えが早いな。

 なんて感心していたのもつかの間。


「ウチらも付き合わない?」

「……はあっ⁉」


 付き合う。付き合う? そう、付き合う。買い物に? いやこの場合はカップルだ。恋人? 誰と誰が? 俺と、莉弧? ……??????


「あははっ、びっくりしすぎっしょ」

「いや、そりゃ驚くって! 冗談でも言うなよ、そんなこと! ああ、びびった」

「えー? そんなに?」

「そりゃそうだ。俺と莉弧じゃ釣り合わん」

「釣り合う? 何それ? どーゆー意味?」

「あー、いや、ほら。相性というか、属性というか。俺たち違いすぎるだろ?」


 カーストとか、そんなこじらせたこと言っても分かんないだろうし適当にごまかす。


「そんなのかんけーないと思うけどなー。好きな人と一緒にいたいって、ふつーのことでしょ?」

「……だから、冗談でも好きとかいうな」

「ごめんごめん、見てると面白くって」

「人で遊ぶな」

「遊んでないよー。楽しんでるだけー」

「何が違うんだ……」


 雨上がり、池の周りの道はさすがに肌寒い。むず痒くなってくしゃみが出そうになるのを、何とか堪える。……今度出かけるときは、ポケットティッシュを持ってこよう。


 それからも適当に談笑しながら歩き続けて駅へ。

 本当に莉弧は何をしたいのか分からない。なんか、妙にからかってくるし。正直疲れるのでやめてほしい。今日は走り回った疲労が来たのか、へばり気味だ。

 それでも無視するわけにはいかないので応じながらしばらく電車に揺られる。それぞれの最寄り駅で降りて解散。それじゃあ学校で、と言ってお別れした。


 そして、どうにも気だるいなと思いながら翌朝。

 

「37.8度……」


 俺は、熱を出していた。

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