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第28話 密会

 どうやら世にいうゴールデンウイークらしい。アニメを見る時間、ゲームをする時間。そういうのが増え、積もり積もった娯楽たちを消化するための絶好の機会、と思っていたりもしたのだが……。


「ねーねーよるっち、何食べるー?」

「えっと……」


 それがどうして莉弧と一対一で食事を。場合によってはデートと言っても差し支えない状況に、正直緊張でガチガチだった。

 ……いや、どうしてこうなった。


 場所こそ普通だが、俺からしてみれば高級レストランと何ら変わらない。来たことない、知らない場所。そこに多少なりとも意識せざるを得ない相手と一緒にいるのだ。

 え? 意識する理由? それは――


「それでさー、よるっち」


 ――胸元に下がりかけた視線を、慌てて目線に戻す。


 莉弧は注文を終え、メニューをしまった。俺も倣ってしまう。出来るだけ動揺を隠して。


「ど、どうした?」

「相談したいことがあってさ。湊との、ことなんだけど」


 ドタドタドタ。立てかけられていたメニューたちが倒れた。動揺した俺が手をひっかけたからだ。


「わわっ、だいじょーぶ?」

「だ、大丈夫。直せるから大丈夫」


 お、おおお落ち着け。別に変なことを言われたわけじゃないんだ。ただ、正直あんまり関わりたくないというか、専門範囲外というか、触れたくなかったというか。

 はっきり言うと、その相談を俺にするのはやめてほしい。


 はっきり言うことは出来ないので莉弧は続ける。


「そー? じゃーさ……それで、その、どー思う? ウチと湊って、付き合えるかな?」

「……嫌われてるってことは絶対にない。だから、アプローチしていけば付き合うことは出来る……んじゃないかな」


 知らんけど、って言葉をぐっと飲みこむ。


「ほんとっ⁉」

「嘘じゃない」


 そう、嘘ではない。実際仲がいいのだし何かきっかけがあれば付き合うことは出来るだろう。けど、もちろん断言はできない。なぜかって? 恋愛経験なんてないからだよ……!


 というかそもそも人選ミスだろうが! どうして俺みたいな彼氏いない歴=年齢、それどころか友達だってまともにいない、何なら2次元美少女こそ至高だと思ってる人に相談しちゃうかなぁ⁉

 

 でも、言えるわけないじゃん! だって莉弧真面目なんだもん! すっごく真剣なの! 今だって、可能性はあると思うって言っただけなのに、目輝かせて喜んでるんだよ⁉ どうしろって言うのさ⁉


 というか普通に妃奈とか頼れって! あいつ頼りになるだろ!

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