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第19話 運動音痴

 オタク特有の特徴として、運動音痴が挙げられる。いや別に全員がそういうわけじゃないのは分かってる。が、はっきり言ってインドア派が多いのは事実だ。よって、俺のスコアが悲惨なことになっているのは極めて自然なことなのだ。


「乙崎君、これからは毎日ジムにでも通ったらどうですか?」

「うるさい」


 まさか一番軽いボールですら満足に投げられないとは。途中で失速し、よくて数ピン、それ以外は普通にガーターとかいうあまりに情けない現状から、俺は目を逸らすことしかできない。


 しかし、まさか及川さんにボウリングの才能があるとは。ちょくちょくストライクを出して、湊や莉弧と同程度のスコアを出しているのを見ると、素直にすごいと思ってしまう。決して通い慣れてるとかではないだろうに。

 妃奈? 妃奈ならたまにスペアを出す程度だ。俺にああだこうだ言ってるがこいつも決して運動神経がいいわけじゃないらしい。


「っし! 俺の勝ちぃ!」

「いつからしょーぶしてたのー?」

「そっちのほうが盛り上がるだろ?」


 湊は得意げに笑って見せる。ボウリングのスコア計算の仕方は分からないが、湊が一番大きい数字だ。次に及川さん、莉弧、妃奈と続いて、最後に俺。しかも結構差が空いてる。


「ふぅ、さすがに腹減ったな。フードコートあるらしいしそこで飯食って、午後からは別のとこで遊ぼうぜ!」


 あえて触れないのか、それとも俺のことを忘れたのか。どちらにしてもいじられるよりはましだろう。

 人生初ボウリングは、特に何が起こるでもなく終了した。


 それからフードコートで昼食を食べ、移動。ボウリング場の2階に向かうと、そこは多くの人で賑わっていた。

 総合アミューズメント施設、と言うだろうか。どうやらここはボウリング以外にもいろんな遊びを楽しめる場所らしい。


「思ったよりいろいろあるんだな」

「ねー。何からやるー?」

「そうだなぁ」


 なんて悩まし気に唸る湊を横目に、貸し出していたスポーツウェアのチャックを上げる。

 俺含め、姫奈や及川さんは運動しやすい格好とは言えなかったので運動着を借りたのだ。


「この服、動きやすくていいですね」

「はい。それにデザインもいいです。及川さん、似合ってますよ」

「宇都羅道さんも、お似合いですよ」


 湊たちは相変わらず元気だし、あっちはあっちで賑わってるな。……やっぱり、俺いらなかったんじゃね?

 

 なんか食事中も会話に参加できなかったし。というかそもそも誕生日席とかいう明らかにあぶれてる席だった。これでもてはやされてるならともかくほとんどいない物扱いだったからなぁ。

 

「お、サッカーできるじゃん!」

「おー。湊はちゅーがくのときサッカー部だったもんねー」


 お、何気に予想は当たっていたか。地味に嬉しいものだな。……いや、どうでもいいな。

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