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一人きり①

最後までおつきあいいただけるとうれしいです。

よろしくお願いいたします。

 ねぇ、ずっと待っていたの。あなたはきっと生きている、絶対にここに帰ってきてくれる。そう自分に言いきかせて、毎日不安と戦いながらあなたを待っていたの。寂しくても苦しくても、あなたのことを思えば頑張れたの。


 愛していると言ってくれた言葉を思いだして、照れて頬を染めた顔を思いだして、あなたの温もりを思いだして。何度も何度も思いだして、私は今日まで乗りこえてきたの。


 あなたが、あのときと変わらない優しい笑顔で、包みこむような優しい声で、「待たせてごめんね」って言ってくれると信じていたの。あなたが絶対に帰ってくるって、僕には君だけだって、約束してくれたから、その言葉を信じていたの。


 決して、こんな光景を目にするためじゃない。私ではない女の人の手をとって、かつて私に向けていた優しい瞳で、私以外の女の人に微笑むあなたを見るために待っていたわけじゃない。


 そんなふうに、初めて会ったかのような顔をして、ほんの少しの熱もない瞳で私を見るあなたを――待っていたわけじゃないのよ。



読んでくださりありがとうございます。




連載中『ツノあり姫』 

こちらもよろしくお願いいたします。

https://ncode.syosetu.com/n1950ka/

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