21話〔最悪の再会〕
=ギルド=
「うそだろ」「まじか」
「嘘でしょう」
ギルド内がザワついていた。
友希斗「はぁはぁはぁ」
友希斗の視線は人の隙間をぬけてその先にいた人物を見た。
友希斗「あ……あ……」
千夜「急に走ってどうしたんっすか?」
友希斗「あ……あ……」
千夜「どうしたんっすか?」
千夜は友希斗が見つめる先を見た。
千夜「嘘っすよね……」
友希斗「……」
友希斗はその人物に駆け寄って行った。
千夜「友希斗……」
「きゃーかっこいい」「こっち向いてぇー」
「航太様」「航太さまぁー」
航太「はぁーうるさい」
「沙耶香様」「お綺麗ですよぉー」
沙耶香「駄目ですのよそんな言葉遣いして辰夫様に怒られますわよ」
辰夫「そうだぞ」
航太「はいはい」
辰夫「まったくお前は困った奴だな」
沙耶香「まあしょうがないですわよ」
辰夫「止まれ」
友希斗「!?」
辰夫「何者だ」
友希斗「あの……俺……」
沙耶香「あらどうかなさったんですの?」
友希斗「せ……聖羽さん……」
沙耶香「なるほど聖羽のファンなのかしら?」
友希斗「えっと……」
沙耶香「あらあら可愛らしいですわねお姉さんが特別に会わせてさしあげますわよ」
辰夫「お前という奴は」
沙耶香「聖羽貴女に会いたいって可愛い子が来てますのよ」
聖羽「何だ」
カウンターで話していた聖羽はこちらに向かってきた。
友希斗「……」
友希斗は息を呑んだ。
沙耶香「この子聖羽のファンなんですのよ」
聖羽「そうなのか」
友希斗「……」
聖羽「ありがとうな」
友希斗「お、お久しぶりです」
聖羽「ん? すまない何処かで会った事あったか?」
友希斗「えっ……な……えっ……」
聖羽「す、すまない」
沙耶香「聖羽貴女最低ですわよ」
友希斗「そんな……俺の事忘れちゃったの?」
聖羽「すまない……」
友希斗「俺…………友希斗だよ……」
友希斗は涙を流しながら言った。
聖羽「なっ……」
友希斗「ずっと……会いたかったんだよ……」
聖羽「……」
友希斗「俺……良い子に……してたんだよ……」
聖羽「すまない」
「おいおいなんなんだよ」「そうだそうだ」
「聖羽様に迷惑かけてんじゃねぇよ」
「そうよそうよ」
友希斗「っ……」
千夜「聖羽っ!!」
千夜は聖羽の名前を呼びながら近寄ってきた。
聖羽「!?」
千夜「どうしちゃったんっすかっ!?」
聖羽「すまない貴女もどこかで会っているのか?」
千夜「なっ……」
冴珀「お前ら騒がしいぞ」
沙耶香「あら誰かと思えばお久しぶりですのよ」
冴珀「ちっお前らか何の用だ」
聖羽「冴珀久しぶりだな」
冴珀「何を言ってんだ?」
聖羽「何がだ?」
冴珀「……」
冴珀は目線を友希斗に向け状況を察した。
冴珀「悪いな私の連れが何かしたか?」
聖羽「冴珀の知り合いだったのか?」
冴珀「そうだ」
聖羽「この子と何処かで会った事があるみたいなんだが」
冴珀「覚えてないと」
聖羽「ああ」
冴珀「そうか」
一瞬でその場の空気が凍りついた。
沙耶香「ちょ」
千夜「なっ」
【ガンッ】
辰夫「ぐっ……」
次の瞬間辰夫は盾で冴珀の拳を受け止めた。
辰夫「くっ……どういうおつもりなのですか……」
冴珀「どけ……」
冷たく低い声で言い放つ。
辰夫「っ……」
沙耶香「ちょっと!? いきなり何してるんですのよ!?」
聖羽「冴珀?」
冴珀「一発殴らせろ」
千夜「やばいっす、あれ完全にキレてるっす」
【ブォン】【ドカッ】
辰夫「くっ……」
辰夫は冴珀の回し蹴りに飛ばされ壁にぶつかった。
冴珀「……」
ゆっくりと聖羽に近づいて拳を振りかぶった。
友希斗「冴珀さんっ!?」
友希斗は冴珀の腕にしがみついた。
冴珀「……」
友希斗「そんな事しちゃ駄目です」
冴珀「そんなに大事か」
友希斗「違います! 冴珀さんにこんな事させたくないんですよ!!」
冴珀「悪いな……」
冴珀は拳を下ろした。
冴珀「悪かったな」
聖羽「いや、私の方こそ」
冴珀「本当に覚えてないんだな?」
聖羽「すまない」
冴珀「そうか……で、何しに来たんだ?」
聖羽「実は……頼みがあるんだ……」
冴珀「頼み?」
聖羽「また私達と……」
冴珀「悪いが私はもうお前らと組む気はない」
聖羽「そこをなんとか頼む」
冴珀「そもそも何でまたこのパーティーが再結成しなきゃいけないんだ」
聖羽「それは」
冴珀「言えないのか?」
聖羽「すまない」
冴珀「謝ってばかりだな」
聖羽「……」
沙耶香「ちょっと貴女達いつの間にそんなに仲が悪くなっちゃったんですの?」
冴珀「……」
聖羽「……」
航太「別にそいつ居なくても良いんじゃねぇ」
沙耶香「それは……」
航太「俺達だけで大丈夫だろ」
沙耶香「そんな簡単なお話しではないですのよ」
航太「だいたい三種の神器を……」
友希斗「えっ?」
千夜「!?」
辰夫「おいっ!?」
航太「あっやべ!!」
沙耶香「もう……何で喋るんですのよ……」
冴珀「ほお、その話詳しく話してもらおうか」
航太「いや……」
聖羽「すまない、これ以上は話せないんだ」
冴珀「ならこの話は無かった事に」
聖羽「____詳しくは言えないんだが……王命なんだ……三種の神器を探し出せと」
聖羽はしばらく考え込んだ後にゆっくりと喋りだした。
友希斗「……」
友希斗は腕に着けていた物を隠した。
冴珀「……」
聖羽「だから頼む」
冴珀「断る」
聖羽「冴珀……」
沙耶香「王命ですのよ」
冴珀「私の知った事か」
聖羽「分かった今日のところは帰るな」
冴珀「ふんっ二人とも私の部屋に来い」
千夜「はいっす」
聖羽「その……すまなかったな」
友希斗「いえ……大丈夫です……」
辰夫「どうなさいますか?」
沙耶香「辰夫様大丈夫ですの?」
辰夫「何とかな」
聖羽「今は一旦此処を出るぞ」
沙耶香「そうですわね」
辰夫「そうですね」
=ギルドマスターの部屋=
友希斗「……」
千夜「友希斗……」
冴珀「私に隠してる事ないか?」
友希斗「……」
冴珀「その腕に着けている物は何だ?」
友希斗「こ、これは……露店で買いました……」
冴珀「ほう……」
友希斗「っ……」
冴珀「聞き方を変えるな、どこまで思い出した?」
友希斗「!!?」
千夜「えっ……」
友希斗「それは……」
千夜「そんな……」
友希斗「全部じゃないよ……」
千夜「じゃあどこまで……」
友希斗「…………それは……」
友希斗は俯いた。
千夜「友希斗?」




