2話〔フラッシュバック〕
過去の映像が蘇る。
=焔淡村=(えんたん)
子供友希斗「わはは、まてまてぇ~」
子供千夜「おそいっすよー」
幼少期の二人が仲良さげに楽しそうに駆け回っていた。
子供友希斗「千夜は走るのが早いよー」
子供千夜「友希斗は遅すぎっす」
子供友希斗「うぅ……」
子供千夜「そんな顔しないっすよ」ヨシヨシ
千夜は落ち込んでいる友希斗の頭を撫でてあげた。
子供友希斗「えへへ」
子供千夜「本当にお子ちゃまっすね」
子供友希斗「お子ちゃまじゃないもん」
子供千夜「はいはい」
子供友希斗「そろそろおうち帰ろう」
子供千夜「そうっすね」
次の日・・・・
子供友希斗「おはよう!」
元気よく千夜の家の窓を開けた。
子供千夜「う~ん……」ゴシゴシ
子供友希斗「あいかわらずおねぼうさんだね」
子供千夜「友希斗が早く起きすぎっす」
子供友希斗「だって早く遊びたいんだもん」
子供千夜「もう少し寝かしてほしいっす」
もう一度布団を被る。
子供友希斗「えー起きてよー」
子供千夜「早いからもう少し待つっす」
子供友希斗「むーう」
友希斗は頬を膨らませた。
子供千夜「わがまま言うともう遊ばないっすよ!」
子供友希斗「うっ……分かったよ……」
数時間後・・・・
子供友希斗「千夜……起きた?」
子供千夜「うーん……」
子供友希斗「千夜? 起きた?」
子供千夜「うーん……」
子供友希斗「千夜?」
子供千夜「だぁぁあもううるさいっすよっ!!」
子供友希斗「!!」
子供千夜「全然時間たってないじゃないっすかっ!!」
子供友希斗「だって……」
子供千夜「その顔はずるいっすよ」
子供友希斗「分かったよ。待ってるよ……」
子供千夜「もうしょうがないっすね」
子供友希斗「本当に」
友希斗の顔はぱぁぁぁっと明るくなった。
子供千夜「本当に単純すっね」
子供友希斗「今日は何する?」
子供千夜「友希斗がしたい事するっすよ」
子供友希斗「良いの!?」
子供千夜「良いっすよ」
子供友希斗「じゃあ追いかけっこ」
子供千夜「はいっすよ」
子供友希斗「わぁーい」
二人は楽しくかけっこをした。
=ギルドマスター部屋=
千夜は長ソファーに横たわる友希斗を心配そうに見つめていた。
友希斗「うぅう……」
千夜「友希斗!?」
友希斗「千夜……」
千夜「思い出したんっすか!!」
友希斗「ごめんなさい……少ししか……」
千夜「良いっすよ少しでも思い出してくれたんなら嬉しいっすよ」
友希斗「千夜さんは変わらないんですね」
千夜「千夜で良いっすよ」
友希斗「でも……」
千夜「昔の様にしてたらもしかしたら思い出しやすいかもっすよ」
友希斗「それもそうかもですけど……」
千夜「その敬語も辞めるっす」
友希斗「でも……」
千夜「分かったっすか」
友希斗「うっ……わ、分かったよ」
千夜「ふふ」
千夜は満足そうにした。
冴珀「それじゃあ明日から頼んだぞ」
千夜「分かったっす」
友希斗「よろしくね」
千夜「はいっす」
冴珀「お前泊まるところはあるのか?」
友希斗「いいえ」
冴珀「だったらギルドの人間が寝泊まりしている寮にしばらく寝泊まりすればいい」
友希斗「良いんですか?」
冴珀「ああ、面倒を見ると言っただろ」
友希斗「ありがとうございます俺そんなにお金もってなくて……」
冴珀「気にするな」
千夜「へぇー」
冴珀「何だ?」
千夜「いや友希斗にあまいなぁ~って思っただけっすよ」
冴珀「……」ギロッ
冴珀の圧に負けてしまう千夜。
千夜「うっ……ごめんなさいっす」
冴珀「とっとと行け!」
千夜「分かってるっす」
=ギルドの寮=
千夜「ここが友希斗の部屋っすよ」
友希斗「ありがとう」
千夜「何か分からない事があったら何でも僕に聞くっすよ」
友希斗「そうなの?」
千夜「じゃあまた明日っす」
隣の部屋に入って行こうとした。
友希斗「あれ隣なの?」
千夜「そうっすよ」
友希斗「そ、そうなんだ。よろしく」
入ろうとしたらまた出てきた。
千夜「あっ覗いちゃダメっすよ」
友希斗「えっ……」
千夜「ぷっ、冗談っすよ」
友希斗「うぅ……」
千夜「じゃあまた明日っす」
友希斗「うん」