19話〔二人の優しさ〕
「……き……ろ」
「おい」
「おいっ!!」
友希斗「はっ!? はぁはぁ……」
睦月「おい大丈夫か?」
友希斗「俺のせいだったのか……」
睦月「何言ってんだ?」
友希斗「俺のせいで……」
睦月「何がだ?」
友希斗「俺が……殺した……千聖さんを……俺がっ!!」
睦月「友希斗……」
友希斗「う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」
ボロボロ涙を流した。
睦月「!?」
友希斗「俺が……っ」
睦月「……」
友希斗「!?」
睦月は友希斗を横からギュッと抱きしめた。
睦月「辛い時はこうするんだろ」
友希斗「睦月さん……」
睦月「……」
友希斗「……」
数分後・・・・
友希斗「睦月さん」
睦月「ん?」
友希斗「ありがとうございます……」
睦月「ああ」
友希斗「もう大丈夫ですよ」
睦月「そうか?」
友希斗「本当に大丈夫ですから」
睦月「俺じゃ嫌か?」
友希斗「えっ……嫌なわけないじゃないですか……」
睦月「だったら黙ってかりとけ」
友希斗「……」
ギュッとして顔をうずめた。
睦月「おまっ……」
友希斗「駄目ですか?」
友希斗は睦月を見上げた。
睦月「っ……」
友希斗「睦月さん?」
睦月「……」
友希斗「むぐっ……」
睦月は友希斗の事を力強く抱きしめた。
友希斗「むぐぐ……」
陽和「そのままじゃ友希斗さん死んじゃうよ?」
睦月「!?」
友希斗「ぷはっ……はぁはぁ……」
睦月「悪い」
友希斗「だ、大丈夫です」
陽和「どうでした?」
友希斗「え?」
耳元に近づき囁くように言った。
陽和「柔らかかったでしょう?」
友希斗「へっ!?」
カァァァっと顔が赤くそまった。
陽和「ぷっ友希斗さんまっか」
友希斗「だ、だって……」
陽和「可愛い顔して意外にスケベさんだね」
友希斗「そ、そんな事」
陽和「動揺しちゃって可愛い」
友希斗「うぅ……」
睦月「お前はまた」
陽和「ごめんね邪魔しちゃって」
睦月「なっ!?」
陽和「二人でイチャイチャしてたのに」
友希斗・睦月「ちがっ」
陽和「二人して慌てちゃってあやしぃ〜」
睦月「いい加減に……」
陽和「もしかして昨日二人の間になんかあったりしてぇ?」
睦月「……」
友希斗「……な、ないよ」
陽和「その反応だとあったみたいだね」
友希斗「ないない」
陽和「ふーん」
睦月「お前な」
呆れた顔で友希斗を見た。
陽和「何があったのかなぁ~」
ニヤニヤしながら聞いてきた。
友希斗「か、顔洗ってくる」
【ガチャ】【バタン】
そそくさと部屋を出ていった。
陽和「あら逃げちゃった」
睦月「ありがとな」
陽和「何がぁ~」
睦月「ふっいや」
陽和「ご飯出来てるよ」
睦月「ああ」
=居間=
陽和「さっぱりしました?」
友希斗「はい」
陽和「ご飯できてるから座って座って」
友希斗「はい」
陽和「どうぞ」
友希斗「わぁ~美味そう」
陽和「喜んでもらえて良かった」
友希斗「いただきまーす」
陽和「はい」
友希斗「うまっ」
陽和「ふふ」
友希斗「これも美味い」
陽和「本当に子供みたいですよね」
友希斗「ん?」
友希斗は口いっぱいにほおばった。
陽和「可愛い」
友希斗「うっ……それやめてってば……」
陽和「ごめんごめん」
友希斗「ありがとう……」
陽和「私もギュッてしてあげようか?」
友希斗「えっ!?」
陽和「まあ私はお姉ちゃんほどないけど」
友希斗「?」
陽和「形は良いんですよ」
睦月・友希斗「ぶぅぅぅ」
同時に吹きだした。
睦月「おまっ」
友希斗「……」
陽和「友希斗さん耳まで真っ赤本当に可愛い」
睦月「お前はもう黙れ」
陽和「えー」
友希斗「……」
睦月「ほらお前が執拗いから」
陽和「えー」
友希斗「二人とも……ありがとうございます……」
陽和「ほら早く食べよう」
友希斗「うん……美味い……っ……うん……美味い……」
友希斗は涙を流しながら食べていた。
睦月「……」
陽和「……」
数分後・・・・
友希斗「ごちそうさま、とっても美味しかった」
陽和「はい」
友希斗「洗い物は俺がするね」
そう言って台所にお皿を下げた。
陽和「ありがとう」
睦月「それ終わったらおくってってやるよ」
友希斗「はい」
陽和「もう帰っちゃうんですね……」
友希斗「また来ますから」
陽和「待ってますね」
友希斗「はい」
睦月「それじゃ行くぞ」
友希斗「はい」
陽和「またね」
友希斗「はいまた」
=噴水前=
友希斗「睦月さん」
睦月「何だ?」
友希斗「本当に色々とありがとうございました」
睦月「別に俺は何もしてねぇぞ」
友希斗「そう言うと思いましたよ」
睦月「ならもう気にすんな」
友希斗「はい」
睦月「ん」
屋台のおっちゃん「おっあんちゃんじゃねぇか」
友希斗「おじさん」
屋台のおっちゃん「今日も食ってくか?」
友希斗「睦月さんも食べますか? ここのすごく美味いんですよ」
睦月「そうなのか」
友希斗「はい」
睦月「お前が言うなら」
友希斗「おじさん二つお願いします」
屋台のおっちゃん「あいよ」
友希斗「良い匂い~」
睦月「そうだな」
屋台のおっちゃん「はいよ」
おっちゃんは二人に串焼きを手渡した。
友希斗「ありがとうございます」
睦月「わるいな」
友希斗「美味そぉ」
睦月「お前は本当に子供だな」
友希斗「おじさんまた来ます」
屋台のおっちゃん「おう待っとるぞ」
食べながら歩く二人。
友希斗「俺ってそんなに子供ですか?」
睦月「そうだな」
友希斗「みんなして酷くないですかそれ」
睦月「そうか?」
友希斗「えぇ……」
睦月「まあ良いんじゃねぇの」
友希斗「……」
睦月「俺は好きだぞ」
友希斗「えっ……」
睦月「ばっ……勘違いすんじゃねぇよ」
友希斗「あっ、わ、わかってますよ」




