14話〔力の代償〕後編
「グガガァァ」
睦月「なっ……」
友希斗「何ですかあれ?」
睦月「あれか……あれは……こんな所に居るはずのない魔物だな」
友希斗「えっ……」
「グガァー」
睦月「ちっ……逃がしてはくれないか」
友希斗「睦月さん……」
睦月「大丈夫だ俺が守ってやるからな」
「グルルル」
睦月「こい」
睦月は水晶を変形させて鎌を構えた。
睦月「くっ」
【カキン】
友希斗「睦月さんがおされてる……」
睦月「っ……」
友希斗「睦月さんっ!?」
睦月「大丈夫だ」
「グガァー」
友希斗「ひっ……」
睦月「お前の相手は俺だっ!!」
鎌で斬りかかったが距離を取られた。
「グガァー」
睦月「なっ!?」
黒い狼は再び友希斗に襲いかかった。
睦月「くそっ」
「グガァ」
睦月「何であいつばかり」
友希斗「どうすれば……」
睦月「はぁはぁ」
友希斗「睦月さん」
睦月「まずいな……お前だけでも逃げろ」
友希斗「そんな事……」
睦月「戦えない奴は邪魔だ」
友希斗「……」
睦月「とっとと行け」
友希斗「……」
友希斗は駆け出した。
睦月「それで良い」
睦月は友希斗が走り去るのを確認した瞬間、片膝から崩れた。
睦月「俺もよえぇな」
「グガァァ」
友希斗「睦月さんから離れろぉぉ」
友希斗は黒い狼の背中に抱きついた。
睦月「おまっ!!」
「グガガァァ」
友希斗「うわわぁぁ」
黒い狼は友希斗を振り落とそうと暴れ回った。
睦月「何やってんだよっ!!」
友希斗「睦月さんを置いてなんて行けないですよ」
睦月「大バカ野郎がっ!!」
睦月は再び立ち上がり鎌を構えた。
睦月「来いよ犬っころ」
「グルルル」
友希斗「うあああ」
睦月「早く離せ」
友希斗「でも……」
「ガウッ!!」
睦月「!?」
黒い狼は友希斗を睦月にめがけ飛ばした。
睦月「うぐっ……」
睦月は体を張って友希斗を受け止めた。
睦月「っ……大丈夫か?」
友希斗「はい……でも睦月さんが……」
睦月「こんなのどうって事ねぇーよ」
友希斗「ごめんなさい……俺のせいで……」
睦月「んな顔すんなよ大丈夫だ」
友希斗の頭に手を置きながら言った。
睦月「……」
友希斗「睦月さん……」
睦月「あれを使うか……」
友希斗「あれって冴玖と戦った時にやったやつですか?」
睦月「ああ」
友希斗「けど今の状態で使ったら駄目なんじゃないんですか?」
睦月「やばいかもな」
友希斗「だったら」
睦月「守るって言っただろ」
友希斗「でも」
睦月「いくぞ」
睦月は武器に力を込め黒くなった。
「グルルル」
友希斗「俺も戦えたら……何で俺は……戦えないんだ……」
「ねん……です……」
友希斗「えっ……」
「力を与えると念じるのです」
友希斗「誰?」
頭の中に響いた声は消えた。
友希斗「念じれば良いって事」
友希斗は念じ始めた。
友希斗「睦月さんを助けたい睦月さんに力を……」
睦月「何だ!? 力がみなぎる!!」
「ガルルルル」
睦月「今ならやれる」
睦月と黒い狼は激しく衝突しあった。
友希斗「凄い……さっきよりも睦月さんの攻撃の威力が上がってる」
睦月「うりゃ」
睦月は黒い狼を切り裂いた。
友希斗「やったー」
睦月「はぁはぁ……」
友希斗「睦月さん大丈夫ですか?」
友希斗は睦月の側に駆け寄った。
睦月「ああ」
「ガルル」「ガルル」
友希斗「えっ……」
睦月「なっ……」
黒い狼が二匹現れた。
睦月「嘘だろ……」
友希斗「睦月さんっ!?」
睦月「!?」
黒い狼が二匹同時に攻撃してきた。
睦月「ちっ……」
睦月は友希斗の腕を掴み放り投げた。
友希斗「なっ!?」
睦月「ぐっ」
睦月は攻撃を食らって木のところまで飛ばされた。
友希斗「そんな……睦月さんっ!?」
友希斗は睦月の所に駆け寄ろうとしたけど行く手を遮られた。
友希斗「なっ!?」
「ガルル」「ガルルルル」
友希斗「早く睦月さんに回復薬を持って行かなきゃ行けないのに……」
「グガァー」
【ザシュッ】
友希斗「いっ」
友希斗はひっかかれて血が出た。
友希斗「考えろ考えろ」
「……」
黒い狼はニヤリと笑った。
友希斗「まさか……こいつら俺の事弄んでるの…………あれ?」
「ブホッ」
フラッシュバックで豚の化け物が鼻で笑う姿が見えた。
友希斗「うぐっ……」
友希斗は体当たりをされて吹っ飛んだ。
睦月「だい……じょう……ぶ……か……」
睦月は座り込んでいても友希斗を受け止めた。
友希斗「睦月さんこれ……」
回復薬を渡した。
睦月「お前が……飲め……」
友希斗「駄目ですよ睦月さんの方が大怪我じゃないですか!?」
睦月「ゲホゲホッ」
友希斗「お願いです飲んで下さい……」
睦月「ああ……」
睦月は回復薬を飲んだが回復しきれなかった。
友希斗「やっぱり傷口が酷すぎるから……」
睦月「大丈夫だ……少し楽になった……」
友希斗「どうすれば……」
「ガルルルル」
友希斗は睦月を庇うように立ちはだかった。
睦月「やめろ……」
友希斗「俺だって……守りたいっ!!」
睦月「そういうのは……惚れた女に言えよ……」
友希斗「女の子は守らないと駄目だって師匠が言ってましたから」
睦月「おまっ……何言っ……」
友希斗「えっ? 違うんですか?」
睦月「____何でお前は気がつくんだよ……」
友希斗「おわ」
友希斗はつまずき木に手をついた瞬間シュッと消えた。
睦月「なっ……」
=???=
友希斗「あれ? ここは何処だ?」
友希斗は周りを見渡したが睦月の姿がなかった。
友希斗「そんな!? 睦月さんどこっ!!」
その時友希斗に一筋の光が射し込んだ。
友希斗「ん? 何だあれ?」
友希斗は光が射す方へ進んだ。
友希斗「これは……太刀? 何でこんな所に?」
太刀は光を放っていた。
「呪われし子よ」
友希斗「うお!? 誰!?」
「助けたいか?」
友希斗「え?」
「助ける力を与えてやろう」
友希斗「本当ですか? お願いします」
「だがこの先更なる試練が待ち受けていようともか?」
友希斗「試練? どういう事ですか?」
「あの魔物はお前が引き寄せたのだ」
友希斗「え……俺が……それじゃ睦月さんが怪我をしたのは俺のせいで……」
「そうだお前を喰らえばお前の中に蓄積されている全てが手に入るのだから」
友希斗「俺の中……へ……ど、どういう事何ですか…………い、意味が分からないですよ……」




