13話〔力の代償〕前編
千夜「……」ジー
千夜は扉の隙間から覗いていた。
友希斗「千夜!? いつからそこに居たの?」
千夜「いつからだと思うっすか?」
そう言って出てきた。
友希斗「うーん」
千夜「あの……」
千夜は友希斗のモジモジする仕草を真似した。
友希斗「うっ……最初からじゃないか」
千夜「いつ覚えたんっすか?」
友希斗「何を?」
千夜「女の口説き方っすよ」
友希斗「へっ」
千夜「そんな子に育てた覚えはないっすよ」
友希斗「何言ってんの?」
千夜「友希斗が女の子を口説くなんてびっくりっす」
友希斗「違うよ! これはお礼だよ!」
千夜「そんなに焦って白々しいっすよ」
友希斗「違うってば」
千夜「さては二人でデートしてきたんっすね」
友希斗「ち、ちがうよ」
千夜「ふーん、僕口が滑って冴玖に言っちゃうかもしれないっす」
友希斗「えぇ……」
冴珀「ふっ、そこらへんにしたらどうだ」
千夜「ふん」
冴珀「まるで拗ねた子供だな」
千夜「なっ!! うるさいっす」
冴「ゆきとおかえり」
友希斗「冴」
冴「ゆきともうへいき?」
友希斗「うん心配かけてごめんね」
冴「うん、よかった」
友希斗「ありがとう冴」
冴の頭を撫でた。
冴「うん」
冴玖「おかえり……」
友希斗「冴玖ただいま」
冴玖「お姉ちゃんとのデート楽しかった?」
友希斗「うん…………えっ」
冴玖「そう」
友希斗「……」
友希斗は不安そうに冴玖を見つめた。
冴玖「気分転換になったなら良かった」
友希斗「うん」
冴玖「次は僕ともデート……してくれる?」
友希斗「えっ?」
冴玖「駄目?」
友希斗「駄目じゃないよ」
冴玖「ん」
冴玖は友希斗の頭を優しく撫でた。
睦月「戻ってきたか」
友希斗「睦月さん」
睦月「悪かったな」
友希斗「何がですか?」
睦月「やり過ぎちまって」
友希斗「全然大丈夫ですよ」
睦月「そうか」
冴玖「僕もごめん」
友希斗「大丈夫だよ」
冴珀「そうだな二人とも私の部屋に……」
睦月「うっ……」
冴玖「分かってる……」
友希斗「冴珀さん……」
冴珀「大丈夫だ少しお説教するだけだ」
友希斗「あまり怒らないでくださいね……」
冴珀「ふっ、分かっている心配するな」
友希斗「はい」
千夜「……」ジー
友希斗「何だよ」
千夜「別に~」
数時間後・・・・
友希斗「あっお帰りなさい」
睦月「疲れた……」
千夜「こりゃー相当絞られたっすね」
睦月「おっかねぇーわ」
千夜「自分が悪いんっすよ」
友希斗「大丈夫ですか?」
睦月「まあ何とかな」
友希斗「良かったです」
睦月「気晴らしに洞窟に潜るかな」
友希斗「睦月さんは強いですけど、気をつけて行ってくださいね」
睦月「ああ」
友希斗「行っちゃった」
千夜「そうっすね」
友希斗「あれ? 冴玖は?」
千夜「まだお説教中なんじゃないんっすか?」
友希斗「そか……」
千夜「そんなしょんぼりしないっすよ」
友希斗「別にしょんぼりしてないよ」
千夜「はいはい」
友希斗「何だよ」
千夜「別に何でもないっす~」
友希斗「……」
千夜「あらいじけちゃったんっすかぁ?」
友希斗「……」
千夜「怒ったんっすか?」
友希斗「……」
千夜「ご、ごめんっす」
千夜は慌てた様子で謝った。
友希斗「……」
千夜「本当にごめんっす……」
友希斗「ぷっ……」
千夜「えっ?」
友希斗「引っかかったぁー」
千夜「なっ……」
友希斗「お返しだよ」
千夜「もうびっくりしたっすよ」
友希斗「騙された?」
千夜「やられたっす」
友希斗「……」
千夜「……」
友希斗「ぷっ」
千夜「ぷっ」
沈黙の後二人で見あって吹き出した。
冴玖「……」
冴玖はじーっと見つめていた。
冴玖「楽しそうだね」
友希斗「冴玖! おかえり」
千夜「妬いてるんっすかぁ~」
冴玖「別に」
友希斗「大丈夫だった?」
冴玖「うん平気だよ」
友希斗「良かった」
冴玖「ん」
友希斗「今日はどこか行くの?」
冴玖「今度こそ冴に教える」
友希斗「そっか」
千夜「そういえば当初の目的はそれだったっすね」
友希斗「冴は今奥で夏乃さんが読み書きのやり方を教えてるよ」
冴玖「分かった」
千夜「さて仕事頑張るっすよ」
友希斗「うん」
数日後・・・・
=串焼の屋台前=
友希斗「美味い~」
屋台のおっちゃん「あれから良く来るようになったな」
友希斗「はい、ここの串焼絶品ですから」
屋台のおっちゃん「まあお前さんのお陰で客が増えてるからありがたいがな」
友希斗「じゃあまた来ますね」
屋台のおっちゃん「おう待っとるぞ」
=噴水前=
友希斗「はぁー」
睦月「おっ」
友希斗「睦月さん!?」
睦月「何だ? 1人か?」
友希斗「はい……」
睦月「いつもの奴らはどうした?」
友希斗「千夜は夏乃さんとお仕事です、冴玖は冴の訓練をしてます」
睦月「そいでお前は?」
友希斗「俺は今日休みなんで」
睦月「そうなんだな」
友希斗「はい、だからやる事無くて……」
睦月「そういえばお前は適性がないから依頼受けたり出来ねぇんだよな」
友希斗「はい……」
睦月「んじゃ俺と一緒に行くか?」
友希斗「えっ良いんですかっ!?」
睦月「ああ」
友希斗「だって俺戦えないですよ」
睦月「大丈夫だ俺強いから」
友希斗「それは知ってますけど……千夜が……」
睦月「大丈夫だ、しかもそんなに危ねぇとこ行かねぇよ」
友希斗「そうなんですね行きたいです」
睦月「んじゃ行くか」
友希斗「はい」
=草原=
睦月「よっ」
友希斗「おおかっこいい……」
睦月は鎌で魔物を消し飛ばした。
友希斗「瞬殺だ……」
睦月「この先に俺のお気にいりのとこがあんだよ」
友希斗「へぇーそうなんですね」
睦月「おう」
しばらく進んだ先に白い花びらがひらひら舞っていた。
友希斗「わぁ~」
睦月「どうだ?」
友希斗「すごい綺麗ですね此処」
睦月「此処にしかはえてないんだぞこれ」
友希斗「そうなんですね」
睦月「それにしても今日はやけに動けるな」
友希斗「そうなんですか?」
睦月「ああ体が軽いというか……力あがってるみたいな……」
友希斗「自分のステータスとかって見れないんですか?」
睦月「いやこの水晶で見れる」
友希斗「それって武器になるやつですよね」
睦月「そうだ」
友希斗「へぇー便利なんですね」
睦月「えーと……ん?」
睦月は武器に変形してた水晶を戻して確認した。
睦月「攻撃力と魔力上昇してんだがどういう事だ?」
友希斗「そんな事あるんですね」
睦月「いや、そんな事ねぇーよ」
友希斗「えっ?」
睦月「どうなってんだ?」
友希斗「まあけど上昇してるんだったら良いんじゃないんですか?」
睦月「そうだとしても……」
友希斗「?」
睦月「嫌な予感がする帰るぞ」
友希斗「でも……」
睦月「また今度連れてきてやるよ」
友希斗「本当ですか!? 約束ですよ!!」
睦月「分かってる」
友希斗「やったー」
睦月「お前本当にガキみたいだな」
友希斗「それは酷いですよ」
睦月「悪い悪い」




