11話〔実力者の戦い〕
冴玖と睦月が向かい合った瞬間その場の空気が変わった。
睦月「久しぶりだから手加減頼むな」
冴玖「よく言う」
しばらくの沈黙が流れれた。
睦月「……」
冴玖「……」
【カッ】【カッ】【カッ】
友希斗「動きが早すぎる」
冴「かまのひとすごい、けどさくもすごい」
友希斗「えっ冴見えるの?」
冴「うん」
友希斗「冴も凄いと思うよ」
千夜「あの二人の動きが見えてるなんて凄いっすよ」
冴「そんなこと」
冴の尻尾が動いていた。
友希斗「冴は分かりやすいね」
千夜「友希斗には言われたくないと思うっすよ」
友希斗「何で?」
千夜「友希斗も分かりやすいっすよ」
友希斗「えっ!? そうなの?」
千夜「えー」
冴「ゆきと、ちゃんとみないと」
友希斗「あっ……はい」
千夜「まさかの冴にお叱りを受けるとはびっくりっす」
睦月「やっぱり強いな」
冴玖「そっちも会わない間に腕上げた」
睦月「お前でも人の事褒めるんだな、あいつの影響か?」
冴玖「うるさい」
【ガッ】
睦月「おいおい」
【カッカッ】
友希斗「凄い……」
友希斗は目の前の光景があまりにも圧巻過ぎて語彙力を失う。
友希斗「凄い……」
千夜「さっきからそれしか言ってないじゃないっすか」
友希斗「二人ともかっこいい」
冴「ゆきとはかっこいいのがすき?」
友希斗「えっ」
冴「せいはもかっこよかった」
友希斗「えっ……」
千夜「なっ……」
友希斗「何で聖羽さんの事知ってんの?」
冴「あのときたすけにきたのみたから」
友希斗「あの時?」
冴「うん、やまでまものにおそわれたとき」
友希斗「えっ? 山?」
冴「うん、ゆきとの」
千夜「冴っ!!」
冴「!?」
千夜の声に冴はビクッと体を震わせた。
友希斗「千夜が急に大声出すから冴がびっくりしちゃったよ」
千夜「ご、ごめんっす……」
友希斗「冴さっきの話」
千夜「そんな事よりちゃんと見ないと駄目っすよ……」
友希斗「それもそっか」
千夜「……」
友希斗「それにしても睦月さん凄いよね鎌をあんなに振り回して動けるなんて」
千夜「……」
友希斗「千夜?」
睦月「試したい技やっていいか?」
冴玖「構わない」
睦月は力を貯めた。
友希斗「鎌が黒くなった」
冴玖「……」
友希斗「千夜……何か……やばい気がするんだけど……」
千夜「ん?」
友希斗「大丈夫なのあれ?」
千夜「はっ!! 二人とも辞めるっすっ!!」
千夜の声は届いて無いかのように二人は衝突した。
睦月「これも止めるか……」
冴玖「僕も少し本気出すね」
冴玖も力を貯めた。
千夜「冴玖っ!! 駄目っすっ!!」
友希斗「わぁ……冴玖の武器も黒くなった」
冴玖「行く」
睦月「……」
さっきの衝撃でヒビが入っていた睦月の武器の先が友希斗めがけ飛んできた。
友希斗「えっ」
冴玖「!!」
睦月「!!」
千夜「友希斗っ!!」
冴「あぶない」
友希斗「ひっ……」
友希斗は目をつぶってしまった。
【パシっ】
友希斗「??」
友希斗は恐る恐る目を開けると目の前にフードを被った人物が欠片をはじき飛ばした。
「大丈夫ですか?」
友希斗「えっあっ……あ、ありがとうございます……」
「おふた方も少し度が過ぎますよ」
睦月「悪い……」
冴玖「はい……」
「では私は失礼します」
友希斗「あの」
「はい?」
友希斗「俺達どっかでお会いした事ありませんか?」
「…………いえ……」
友希斗「そんな……だって……」
千夜「友希斗?」
友希斗「だって……」
「すみません……人違いだと思いますよ」
友希斗「そんな訳……俺が声を聞き間違えるわけ……」
千夜「さっきからどうしたんっすか?」
「では」
友希斗「待ってくださいっ!!」
友希斗はとっさにその人を掴んでしまう。
「……」
友希斗「何で……」
「離してくれ」
静かにゆっくり低いトーンで言った。
友希斗「!?」
もの凄い威圧で友希斗は腰が抜けてしまった。
冴玖「友希斗……」
睦月「ちっ……」
冴玖は友希斗のもとに駆けつけようとしたが圧で動けなくなっていた。
冴「……」
冴はフードの人物の前に出た。
「……」
冴「やくそく……」
「……」
フードの人物は何も言わずに冴の横を通り過ぎた。
=冒険者ギルド前=
【ガチャリ】
ギルドの建物に寄りかかっていた冴珀が喋りかけた。
冴珀「随分だな」
「……」
冴珀「らしくないな」
「……」
冴珀「だんまりか」
「近いうちに危険が及ぶ」
冴珀「いったい何があったんだ」
「……」
冴珀「話せないのか」
「すまない……」
冴珀「……」
「じきに封印が解けてしまう」
冴珀「封印?」
「守ってやってくれ」
冴珀「おいっ」
フードの人物は素早くその場から去った。
冴珀「ったく……どういう事なんだ」
=訓練所=
友希斗「……」
千夜「友希斗……」
冴玖「……」
冴「ゆきと? へいき?」
友希斗「えっああ……う、うん全然平気」
友希斗は気丈に振舞った。
友希斗「それにしても冴玖めっちゃかっこよかったよ」
冴玖「ん……」
友希斗「睦月さんだって凄かったですよ」
睦月「おう……」
友希斗「千夜もそう思うだろ」
千夜「友希斗……」
友希斗「……」
千夜「友希……」
友希斗「あっ! そういえば俺買い出しあるの忘れてた……買いに行ってくるね」
慌ただしくギルドから出て行った。




