10話〔手合わせ〕
【コンコン】
友希斗「うーん……」
【コンコン】
友希斗「むにゃむにゃ……」
【ガチャ】
千夜「まだ寝てるんっすか」
冴「ねてる」
千夜「よっぽど疲れたんっすね」
冴「たいへんだったから」
千夜「そうっすね」
冴「ゆきと」
冴は友希斗の頬を軽く突っついた。
友希斗「うーん……くすぐったい……」
冴「おきておきて」
友希斗「うーん……冴?」
冴「おきた」
千夜「いつもは早起きなのに今日は寝坊助さんっすね」
友希斗「思ったより寝てた」
千夜「しょうがないっすよ」
友希斗「こんな朝早くにどうしたの?」
千夜「冴玖が訓練所で練習してるんすよ、それで……」
友希斗「えっ見たい」
千夜「そう言うと思ったすよそれで……」
友希斗「早く見に行こう」
千夜「ちょ……話の途中なのにどんだけ見たいんっすか」
冴「ゆきとはやい」
友希斗は猛スピードで部屋を出ていった。
=訓練所=
【カッ】【カッ】
槍使い「とりゃー」
剣使い「はっ」
友希斗「おお」
友希斗は目を輝かせた。
千夜「早いっすよ」
冴「はやい」
友希斗「千夜見て見て」
千夜「はいはいっす」
友希斗「冴玖は?」
千夜「あっちに居るっすよ」
友希斗「本当だ」
素早く駆け寄る。
冴玖「おはよう」
友希斗「おはよう」
冴玖「良く眠れた?」
友希斗「うん、ぐっすり」
冴玖「そう」
友希斗「冴玖も模擬戦するの?」
千夜「しないっすよ」
友希斗「えっ何で?」
千夜「冴玖と対等にやり合える人いないっすから」
友希斗「そうなのか……残念……」
「それじゃ俺と手合わせお願いするよ」
友希斗「誰?」
「俺か? 俺は睦月宜しく」
友希斗「睦月さんよろしくお願いします俺は友希斗って言います」
睦月「お前の事は知ってるあの堅物で有名だった冴玖が心を許した奴だろ」
冴玖「いつもフラフラしてるのに今日は珍しい」
睦月「お前が珍しくここに来てるからな」
冴玖「僕はやらない」
睦月「じゃあ何でここにいんだよ」
冴玖「僕は色々教えるために」
睦月「教える? お前がか?」
冴玖「悪い?」
睦月「おいおい嘘だろ」
千夜「本当っすよ」
睦月「教えるって誰にだ?」
千夜「この子っす」
冴「……」
睦月「変わった格好の子だな」
友希斗「冴、ちゃんと挨拶しないと駄目だよ」
冴「うん……さえです」
友希斗「うんよく出来ました」
冴「うん」
睦月「お前が今噂の奴か」
友希斗「噂?」
睦月「ああ、魔物が人間に進化したんだろ」
友希斗「そうですけど冴はいい子ですよ?」
睦月「見たら分かる」
友希斗「睦月さん良い人ですね」
友希斗はにこりと微笑んだ。
睦月「それが噂の人たらしスマイルか」
友希斗「?」
睦月「無自覚でやってんのか」
友希斗「何をですか?」
睦月「それよりお前も見てみたいだろ?」
友希斗「冴玖のですか?」
睦月「そう」
友希斗「見たい」
睦月「だとよ」
冴玖「見たいの?」
友希斗「見たいけど……冴玖が嫌なら……」
冴玖「……」
睦月「どうする?」
千夜「性格悪いっすよ」
睦月「そうか?」
冴玖「良いよ」
睦月「こいつには弱いんだな」
冴玖「別にそんなんじゃない」
睦月「そういう事にしといてやるよ」
千夜「僕がたちあいやるっすよ」
友希斗「けど武器使ったら危なくない?」
千夜「流石に真剣は使わないっすよ」
友希斗「そうなの?」
千夜「そうっすよ、木で作った武器でやるんっすよ」
友希斗「おお!! いろんなのがいっぱいある」
千夜「興奮しすぎっす」
友希斗「千夜! 千夜! 見て見てこれかっこいいよ!! それとこれも」
友希斗は色々手に取りはしゃげた。
冴玖「可愛い……」
ボソッと呟いた。
千夜「本当にお子ちゃまっすね」
睦月「だな」
友希斗「俺もこれ使って良い?」
睦月「俺とやるか?」
友希斗「えっ良いの!?」
千夜「やめるっすよだいたい戦った事無いじゃないっすか!?」
友希斗「あるよ……」
千夜「それまさかヒーロごっこのやつの事言ってるわけじゃないっすよね?」
友希斗「えっと……」
千夜「何考えてるんっすか」
友希斗「だって……」
睦月「俺は構わないぜ」
冴玖「駄目」
睦月「大丈夫手加減はするから」
千夜「いやいや……」
友希斗「お願いだよやってみたい」
千夜「もう知らないっすよ」
睦月「武器選べよ」
友希斗「睦月さんは何使うんですか?」
睦月「俺はこれだな」
睦月は棒を手にした。
友希斗「俺これが良い」
友希斗は木刀を手に取った。
睦月「どっからでも打ち込んで来い」
友希斗「お願いします」
打ち込んだけど軽く受け止められてしまった。
睦月「どんどん来い」
友希斗「おりゃー」
【カッ】【カッ】
友希斗の攻撃は全て防がれている。
友希斗「はぁはぁ……」
睦月「どうした? もうばてたのかよ?」
友希斗「いえ、まだいけます」
睦月「ふっ」
【カッ】【カッ】
冴玖「自己流っぽいけどちゃんと動いてる」
千夜「勇者ごっこのたまものっすかね」
冴「ゆきとすごい」
友希斗「全然歯が立たないや……あっ! だったら……」
友希斗は横切りをすると見せかけて、素早く左手に持ち替え打ち込んだ。
睦月「!?」
友希斗「あっ!!」
【ガッ】
睦月「やるな、けどまだまだ」
【カランカラン】
友希斗の木刀は払われ地面に落ちた。
友希斗「参りました」
睦月「素直なやつだなお前」
友希斗「睦月さん凄いですねかっこいいですよ」
睦月「えっ……ああ……」
睦月は自分の頬を照れくさそうにかいた。
冴玖「次は僕とやろ」
睦月「やる気になったのか?」
冴玖「別に」
千夜「ははーんさては自分も言われたいんっすね」
冴玖「……」
千夜は睨まれてしまった。
千夜「うっ……」
友希斗「冴玖も睦月さんも頑張れ」
睦月「んじゃ俺はこれを使うかな」
友希斗「棒じゃなくて鎌になったよ」
千夜「あれがあの人の適正武器っすよ」
友希斗「そうなの!?」
千夜「そうっすよ友希斗はかなり手加減されてたっす」
友希斗「まあそうなんじゃないかなっては思ってたけど……」
千夜「けど褒められてたじゃないっすか? あの人は滅多に人の事褒めたりしないっすよ?」
友希斗「そうなんだぁ」
千夜「嬉しいんっすね」
友希斗「べ、別に」
千夜「あの人は強いっすよ」
友希斗「冴玖負けちゃう?」
千夜「どうなんっすかねぇ」




