1話〔始まりの始まり〕
ギルドの前で決意を固めたように扉を開けた。
友希斗「よしっ!」{これでやっとあの人と同じステージにたてる}
=冒険者ギルド=
ギルドに入ると受付カウンターに二人の女の子と申請をする冒険者がいた。
千夜「次の方どうぞっす」
新米冒険者A「冒険者になりたいんですけど」
千夜「適正検査をするっすよ」
新米冒険者A「はい」
新米冒険者Aは石板に手をのせた、すると石板が光だした。
千夜「でたっすよ」
新米冒険者A「どうなんですか?」
千夜「君の適正は槍使いっすね」
新米槍使い「はい、ありがとうございます」
千夜「これ君のレベルクリスタルっすよ」
新米槍使い「はい」
友希斗「わぁ~人がすっげぇ〜」
賑わっているギルドをキョロキョロと見回した。するとカウンターの中にいた女の子の一人が声をかけてきた。
千夜「ん? 友希斗じゃないっすか」
友希斗「?」
千夜「まさか……自分の事忘れてるんっすか?」
友希斗「…………?」
千夜「あんな事しといて……ひどいっすね...…」
友希斗「えっえっえっ????」
千夜「ぶっ……」
友希斗が焦っていると、千夜はふきだした。
友希斗「えっと」
【パシッ】
千夜「いたっ!」
不意にもう一人いた女の人に頭を叩かれた。
夏乃「いい加減にしなさい」
千夜「ひどいっす」
夏乃「ごめんね」
友希斗「いえ……」
千夜 (ちや)「本当に自分の事忘れたんっすか?」
友希斗「う~ん……」
千夜 (ちや)「そうっすか……」
友希斗 (ゆきと)「ごめんなさい……」
千夜 (ちや)「良いっすよ」
夏乃「早く受付してあげなよ」
千夜「分かってるっすよ」
友希斗「お願いします」
友希斗は石版に手をのせた。
千夜「……」
友希斗「どうなんですか?」
千夜「せっかちすよ」
友希斗「俺的には剣が良いんですよ」
千夜「そうっすか……」
千夜の顔が一瞬曇った。
友希斗「剣だったらあの人と一緒なんですよ」
千夜「__そう……すね」
友希斗「ん? 大丈夫ですか?」
千夜「大丈夫っすよ」
友希斗「で、どうなんですか?」
千夜「!?」
友希斗「でました?」
千夜「な……っす」
友希斗「ん?」
千夜「ない……っす」
友希斗「えっ!!」
千夜「適正がないんっすよ」
友希斗「へっ……そんな……だって……」
友希斗はショックでその場に崩れた。
「おいおいマジかよ」「適正ないとかどんだけだよ」
「うわぁ……かわいそう」「信じられな~い」
ざわつくギルド内。
「うるさいぞ!!何を騒いでいるんだ!?」
二階から降りてきたらしい人物が叫んだ。
千夜「うげっ……厄介なのが来た……」ボソッ
夏乃「実は……」
夏乃はその傷だらけの人に駆け寄り耳打ちをした。
「ほぉ、私の部屋に連れてこい」
夏乃「はい」
「それと聞こえていたからな」
千夜「な……なんのことっすか」
「ふっまあいい」
=ギルドマスター部屋=
友希斗「……」
「お前、聖羽の言っていたガキだな」
友希斗「!? 聖羽さんを知ってるんですか!!」
「まあな」
友希斗「聖羽さんは元気にしてますか? 今どこで何をやってるんですか?」
「うるさいヤツだな」
友希斗「ごめんない」
「私が怖くないのか?」
友希斗「何でですか?」
「あいつの言うとおり……」
友希斗「?」
「まあいいそれより適正の話だな」
友希斗「そうなんですよ、何で俺適正ないんですか!?」
「悪いな私にも分からないんだ」
友希斗「そんな……」
「適正が無いからと言って冒険者になれないわけじゃないぞ」
友希斗「戦えないんじゃ無理じゃないですか……」
「そうだな」
友希斗「じゃあやっぱり……」
「話を最後まで聞け」
友希斗「はい」
「戦わない冒険者だっているからな」
友希斗「__戦わないんじゃ聖羽さんの隣に立てないじゃないですか……」
「戦うだけが隣に立てるわけじゃないと思うがな」
友希斗「それは……」
「とりあえずお前の面倒は私が見てやる」
友希斗「本当ですか!?」
「ああ」
友希斗「ありがとうございます……えっと……」
「こはくだ」
友希斗「冴珀さんありがとうございます」
冴珀「!?」
友希斗「?」
冴珀「私を名前で呼ぶか」
友希斗「えっ駄目でした?」
冴珀「いや、かまわん」
友希斗「良かったです」
冴珀「ふっこの笑顔にやられたのか」
友希斗「俺頑張ります。なんだってやります」
冴珀「雑用でも何でもか?」
友希斗「はい」
冴珀「そうか。居るんだろ入ってきたらどうなんだ?」
扉の外の人物に話しかけた。
扉はカチャリと開いた。
千夜「バレてたっすか」
冴珀「お前ら同じ村の出身だったな」
千夜「そうっすけど」
冴珀「じゃあお前が面倒を見てやれ」
千夜「まじすっか」
冴珀「とりあえずギルドの雑用でも何でもするらしいからな」
千夜「えげつな」
冴珀「なんだ言いたいことでもあるのか?」
千夜「なんでもないっす」
友希斗「あのぉ~」
冴珀「なんだ?」
友希斗「俺小さい時の記憶が曖昧なんですよ」
冴珀「そうなのか?」
友希斗「はい……だからその千夜さんの事も思い出せなくて……」
千夜「何で聖羽の事は覚えてるのに僕の事忘れてるんすか」
友希斗「うぅ……」
千夜「そんな顔しないっすよ」
千夜は友希斗の頭を撫でた。
友希斗「あれ……この感じ…………うっ……」
友希斗は頭を抑え倒れた。
千夜「友希斗!!」