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プログラマーの見る夢は?  作者: まっこ
第1章 新卒入社
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第6話 最初の仕事はPCのセットアップ

迫野(さこの)、ちょっと良いか?」


「はい、どうしました?」


「今日からお前の下に就いてもらう、水島君だ。

 この前の様に、あまり苛めるなよ」


「北地さんは、人を何だと思っているんですか?」


「苛めて辞めさせちゃっただろ」


「あれは、プログラムが作れるって聞いていたのに、全然出来なかったからですよ。

 それほど難しくないクラスを1つ作るのに、3日掛かっても出来ないなんて思っても居ませんでしたから。

 それを苛めと言われるのは心外ですよ」


「お前基準で考えるなって言ってるだろ。

 最初から、同じレベルを求めるのは無理だって」


「最初から出来ないって聞いていれば、それなりの対応をしますよ」


 何か、恐ろしい所に放り込まれたような気がしてきたぞ。

 プログラムは、大学の頃に多少齧ったことがあるけど、分からないことにしておいた方が無難か?


「本当に頼むぞ。

 これで駄目だったら、人を連れて来れなくなるからな」


「大丈夫ですって。

 新人なら、何も知らない事を前提にしていますから。

 ところで、2人新人が来るって聞いていたんですけど、もう1人はどうしたんですか?」


「あぁ、それがな……連絡がつかないそうだ。

 夜に、磯島さんが見に行くらしいのだけどな……」


「逃げたんじゃないですか?」


「かも知れないな……まぁ、そんな訳で、1人になったけど頼むぞ。

 それじゃ、水島君、あとは迫野の指示に従ってくれ。

 うちの部署には、他にも2名程居るのだけど、生憎と打ち合わせで外に出ているから、帰ったら紹介するよ」


「ありがとうございます」


 北地課長にお礼を述べた。

 去り際に何か不安を煽る様なことを言っていたけど、俺から聞くことなんて出来ない。

 後でどうなったのか噂としてでも聞けるだろう。


 そんなことより、今はこっちだ。


「迫野先輩、よろしくお願いします」


「何か、先輩って言われると背中がむず痒くなるな。

 うちの会社は皆、役職ではなく『さん』付けで呼んでいるから、そっちの方で頼む」


「分かりました、迫野さん」


「うん、そんな感じだ。

 対外的には役職で呼ぶ時もあるけど、大抵は『さん』で問題無いから。

 とりあえず、君の席は此処だから座ってくれ」


 迫野さんに促されて、隣の席へと座る。


 それで、君はPCについて、どの位分かるのかな?」


 早速、この質問が来たか。

 下手に分かるって言うと、どんな仕事を言われるか分からないし、かと言って何も分からないとなるとそれはそれで嘘くさい。

 良い落としどころは無いかと、話しながら探るしかないな……


「家ではPCを使っていますけど、レポートを書くのに使ったのと、偶にゲームをやる位です」


「ゲーム? オンラインはやるのか?」


「オンラインのゲームは、ハマると抜け出せなくなるって聞いていたので避けていました」


「そうか……、それじゃあプログラムは作ったことが無いのかな?」


「大学で習う程度には習っていましたが、それだけです」


「習っていた言語は、何だった?」


「Cです」


「Cか……Javaはやらなかったのか」


「やりませんでした」


「そうか……ちょっと待ってくれ」


 そう言って、書架の中から1冊の本と、紙の束を1つ取り出してきた。


「今週は、そのPCのセットアップと、この本を読んでくれ。

 セットアップについては、これを見ながらやれば出来ると思うけど、分からなかったら聞いてくれ」


 紙の束を開くと、中にはCD? DVD? らしきものも入っていた。

 ラベルには『再セットアップ用』と書かれており、1番の番号が振られていた項目には、これで再セットアップを進めていくように書かれていた。


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