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プログラマーの見る夢は?  作者: まっこ
第6章 決断
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第4話 送別会? それ、何て罰ゲーム?

「水島君の送別会だけど、最終日の定時後で良いかな?」


 いつも通りに椅子ごとこちらに移動してきて、迫野さんが言った。


(え? 今、送別会って言った? しかも、最終日って言ったか?)


 引継ぎ相手が決まって居ないから、最終日まで出てくることになりそうな状況だ。

 それなのに迫野さんの中では、もう、最終日まで出勤してくることが決まっている様だった。


 有給休暇とは、一体……


 そのことは100歩譲って良いとしても、最終日に何が悲しくて一緒に飲まないといけないんだろうか? 迫野さん、大砂さん、北地課長はまだ良い。

 中垣内さんとは遠慮しておきたい。

 どうせ遅れてくるだろうけど、間違って中垣内さんが先に行ってようものなら、また何か一言言われるだろう。

 最終日まで、気分的に嫌になるようなことは避けたい。


「済みません、その日は大学時代の友達と飲むって前から約束していたんですよ」


「大学時代の友達なら、キャンセルできるんじゃないの?」


「丁度、こっちに来ているみたいでして、次はいつ会えるか分かりませんので……済みません」


「ふ~ん、そうなんだ。

 それじゃあ、仕方がないかな?」


「済みません」


 近くにならないと皆の都合が分からないから、開催間近になると言うのは分かる。

 分かるけど、断られること込みで考えて欲しい。


 まぁ、今回はいつ言われても断っていたけどね。

 大体、辞める会社の送別会なんて罰ゲームでしかない。

 こっちとしては、後腐れなく、静かに速やかに辞めたいと思っている。

 だから、有給休暇を使って「いつの間にかいなくなった」というのが理想でもある。


(送別会なんてやらなくても良いから、早く引継ぎ相手決めてくれないかな? このままだと、引き継がないで辞めることになるけど……)


 もし、そうなったらそれまでだ。

 俺としては、資料は期日までに用意した。

 引継ぎの為の説明をするだけの時間もあった。

 引継ぎ要員を用意しなかったのは、この会社の落ち度だ、辞めていく俺がその責任を被る必要は無いだろう。


(やる事やったら、何か吹っ切れて来たかも知れない)


 有給休暇でフェードアウトは難しいかも知れないが、送別会を拒否したり、引継ぎのことだったり、終わりが見えたことにより色々と吹っ切れたのかも知れない。


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