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プログラマーの見る夢は?  作者: まっこ
第6章 決断
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第2話 退職届を提出する

「北地課長、今、お時間大丈夫でしょうか?」


「うん? 10分ぐらいなら大丈夫だけど、何かあった?」


「ご相談したいことがありますので、何処か2人でお話しできるところに移動できますか?」


「分かった。

 今は会議室が空いていたから、そっちに移動しようか」


 北地課長は手帳を手に持ち、席を立った。


「済みません」


 北地課長と共に会議室へと移動した。

 そして、北地課長の対面に座り、対峙するような形になった。


「それで、話と言うのは何かな?」


「会社を辞めようと考えています……」


 あれから数日経ったのだが、俺は「もう、辞めよう」との考えが頭の中を占めていた。

 次の会社はまだ決まっていない。

 だけど、それより今はゆっくりしたい気持ちの方が大きかった。

 その結果が、今、北地課長の前に立って報告しているって訳だ。


「そうか……辞める理由を聞いても良いかい?」


「もう、疲れてしまったんです」


「そんなに仕事が辛かったのかな?」


「今のここの状態では、仕方がないと思います。

 僕にはきつく感じただけです」


「他の部署に移ったとしても、残る気は無いのかい?」


「はい、ありません」


「次は決まって居るのかい?」


「いえ、まだ決まって居ませんが、少しの間ゆっくりしてみようかと思います」


「次を決めないで辞めるのは、良くないよ。

 引継ぎや作業に影響しない範囲で、次を探しておいた方が良い。


「分かりました」


「それで、何時、辞める予定なのかな?」


「丁度、1か月後を考えています。

 就業規則でも1か月ってなっていましたし」


 問題が無いであろう、就業規則ギリギリを告げる。


「それなら、来月末までにできないかな? 給料とかの計算でも丁度良くなるから」


 今は20日だから、10日ぐらい出勤が増える計算となる。

 立つ鳥跡を濁さずではないが、その位延ばすだけで綺麗に辞められるのなら、我慢は出来るだろう。

 ここでごねても双方にメリットは無いと思う。


「問題ありません。

 では、来月末で退職いたします」


「うん、じゃあ、来月末に退職で退職届を明日、明後日にでも出して欲しい。

 書き方は……Webを検索すれば幾らでもあると思うから、それを参考にしてくれれば良い。

 誰にどの仕事を引き継ぐかは考えておくから、引継ぎの資料は作っておいて欲しい」


「はい」


「あと……迫野君を此処に来るように伝えて貰えるかな?」


「はい、分かりました。

 失礼します」


 席を立ち、会議室から退出して、迫野さんに会議室へ行くように伝えた。


「何か悪いことしたの?」と聞かれたが、それも全て会議室へ行けば分かるだろう。


「別に、してませんよ」と、惚けておいた。


 次の日、北地課長に夜に書いた退職届を提出した。


 これで、もう引き返せない。

 引き返すつもりもないが……

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