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プログラマーの見る夢は?  作者: まっこ
第5章 プログラマーの日常
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第12話 言われるまで気が付かなかった

「中垣内君はまだ来てないの?」


 北地課長が、俺と迫野さんの席の間に来ていきなり問われた。

 大砂さんは朝から客先での打ち合わせの為、昼過ぎに来る予定だ。


「まだ来てない様ですけど、いつも通りじゃないですか?」


「とりあえず、休みの連絡は受けていません」


 迫野さんに続けて、俺も連絡は受けていないことを伝えた。


「遅くても、30分以内には来ていたはずなんだけどね」


 今の時刻は9:42。

 言われれば遅いかも知れないが、今日は偶々遅くなっているだけかも知れない。


「そうか……水島君、もし10時を過ぎても来ていない様だったら、連絡して貰えるかな?」


「分かりました」


「じゃあ、頼むよ。

 10時から会議が無ければ、私が連絡してみるんだけどね……」


 そう言い残して、北地課長は自席へと帰って行った。


「中垣内さん、まだ来ていなかったんだね……」


 迫野さんが呟いた。

 何時もが何時もだから、勤務開始時間が過ぎた状態で居なくても気にならなくなっていた。


(一時的には改善したんだけど、結局戻っちゃったしな……)


「もう、そんなに時間が経っていたんですね。

 特に気にしなくなってました」


「もう、何を言っても無駄だろうからね。

 北地さんも匙を投げたんじゃないかな?」


「電話しても出なかったらどうします?」


「どうもこうも、自宅に行ってみるしかないよ。

 第一発見者になるかも知れないけどね」


「縁起でもない事言わないでくださいよ。

 実際そうなったら洒落にもなりませんから。

 もし、行くとなっても、僕じゃなくて課長とかが行かれるんじゃないんですか?」


「その北地さんが会議に入るんだろ? だったら代わりに誰か行かないといけないんだから……俺は忙しいからパスだね」


「僕だって忙しいですよ」


「まぁ、そうなっても北地さんが会議から帰って来てから伝えれば良いよ。

 大砂さんが外に出ているから、帰ってくる途中に寄って貰えるかもしれないしね」


「そう言えばそうですね。

 一瞬、マジで焦りましたよ」


「まぁ、それも全て、電話が繋がらなかったらの話だよ」


 その後、10時になっても中垣内さんは姿を見せなかった。

 勿論、電話連絡もなかった。


(電話してみるか……)


 中垣内さんは電話に出てくれた。

 この時点で、誰かが第一発見者となることは無くなったので、胸を撫で下ろした。


 話を聞くと、ただ単に寝坊しただけだった。

 結局、中垣内さんはこの日前半休を取ることとなったのだが、出社してくるなり北地課長に連行(ドナドナ)されて会議室へと姿を消した。


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