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プログラマーの見る夢は?  作者: まっこ
第5章 プログラマーの日常
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第8話 良い報せと悪い報せ

「大砂さん、あそこの開発分が遅れています」


「どうしても取り返せないの?」


「夜とか頑張っているのですが、昼間の割り込みが多くて、取り返すのが難しい感じです」


「ヘルプに入ってもダメなの?」


「仕様を引き渡すのに、時間を割けないですね」


「そうか……」


 大砂さんから引き継いだ客先の作業が、思うように進まずに相談してみた。

 昼間に問い合わせや緊急対応が多くて、こちらの作業には殆ど手が付けられていない状態だった。


「そうだね……じゃあ、線を後ろに延ばすか。

 どれ位延ばせば行ける?」


「そうですね……3日ぐらいあれば落ち着くと思います」


「3日か……本当にそれで大丈夫?」


「昼間の電話とかが無ければ、大丈夫だと思います」


「そんなこと言ってたって、電話は突然来るものだから、ある程度の余裕は持っておかないとダメだよ。

 だから、先方には最大で1週間延ばしてもらえるように伝えておくよ」


「はい、ありがとうございます」


 やたっ、3日延ばしてもらうつもりが、1週間期限が延びた。

 上手く行けば、少しの残業で帰れる。


 大砂さんは、先方に電話をしているようだ。

 笑顔を浮かべて電話しているから、問題なく期限は延びそうだ。


 電話を終えた大砂さんに、呼び出された。

 笑顔のままだから、交渉は上手く行ったのだろう。


「水島君、良い報せと悪い報せがあるけど、どっちから聞きたい?」


 良い報せは、間違いなく期限が延びたと言うことだとして、悪い報せって何だ? 予想が出来ることを後から聞いてもあまり嬉しくないだろうから、良い報せから聞いてみよう。


「良い方からお願いできますか?」


「良い方はね、その作業の期限が2週間ほど延びたってこと」


「え? 2週間ですか?」


 1週間に延びれば最高だと思っていたところに、2週間にも延びるとはこの上ない良い報せじゃないか。

 予想以上の良い報せに、わが耳を疑った。


「でね、悪い報せの方だけど……」


 そういえば、悪い報せもあるって言っていたな。

 良い報せが予想以上だったので、悪い報せの方を忘れていた。


「はい、今ならば何でも受けられそうな気がしますので、仰ってください」


「そう? 悪い報せって、それより優先して欲しい作業が来たんだ。

 そっちは1週間後が期限なんだ」


 簡単に言えば、先にして欲しい作業が入ったから、今の作業はその後で上げて欲しいってことだ。


「後で概要を渡すから、宜しくね?」


「……はい、分かりました。

 失礼します」


 天国って長続きしないんだなぁ……


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