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プログラマーの見る夢は?  作者: まっこ
第1章 新卒入社
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第2話 入社式

 会社に着くと、入り口には「新入社員はこちら」と書かれた看板があり、そちらへ歩いて行くと机を並べただけの受付があった。


「おはようございます。

 本日よりこちらでおしぇ、お世話になります、水鳥周大と申します。

 よろしくお願いします」


 少し噛んでしまった。

 受付の人は微笑んでいる。


「そんなに緊張しなくても、大丈夫ですよ。

 私は人事の磯島です。

 よろしくお願いします」


 そう言いながら、軽く頭を下げた。


「中に入ると席に名前が書かれていますので、そちらにお座りになってお待ちください」


「はい、ありがとうございます」


 部屋の中に入ると、席には3名が座っていた。

 多分、この3名は同期となる新入社員なのだろう。

 俺を含めて4名なのだろうか? そう考えながら、自分の席を探して座った。


 名前が置かれた席はあと3つ空いている。

 という事は、全部で6名の同期が居るという事だろう。


 その後、2名が席を埋めていったのだが、残りの1名はなかなか姿を現さない。

 そうこうしている内に、8時30分となったのだが、席が1つ空いたままだった。


 部屋には、先ほど受付をしていた磯島さんと、偉そうな態度をした人が入って来た。


「時間となりましたので、本年度の入社式を執り行いたいと思います。

 本日、進行を務めます磯島です。

 よろしくお願いいたします。

 まず始めに、当社社長である仲本よりご挨拶を頂きます」


 先ほどの偉そうな人が、正面に設けられた演台へと進む。

 社長なら、偉そうに見えて当たり前か……


 正直、社長の話は何も覚えていない。

 何やら、社会人としての自覚を持ってどうのうとか、世界経済にも目を向けてとか色々言っていたのだが……


(校長先生の話を聞いているみたいだ……)


「退屈な話でも、真面目な顔で目を見て聞いていればバレないぞ。

 目を見るのが辛かったら、相手の鼻か眉間でも見ていれば良い」


 大学の時に先輩から教わった方法で、今はこの場を凌いでいる。


 社長の話の後は、社長から辞令と共に名刺が渡された。


(こんなに沢山、名刺を配らないといけないのか?)


 名刺を配る相手の人数は、配属される部署によって大きく2つに分かれる。

 最初に渡された数でも全く足りずに、2~3回お替りする者。

 引き出しの奥深くに仕舞い込まれて、片手の指で数えられるほどしか減っていない者。

 そのどちらかになるのだが、俺はその時はまだ与えられた名刺は全て配るものだと思い込んでいた。


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