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プログラマーの見る夢は?  作者: まっこ
第3章 対お客様
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第7話 今日って何日だっけ?

 大砂さんとの話し合いにより、佐藤さんとの打ち合わせは出席しなくて良くなった。

 これで、前日に無理して家に帰らなくても良いし、打ち合わせの時間、付随する時間全てを自由に使えることになった。

 自由と言っても、デバッグとテストの時間になるだけなのだが……


 その分、進捗は右肩上がりになって、お客様も大喜び……と、ならないのがこの世の中の理である。

 どんどんとテストが進むにつれ、見つかるバグは一筋縄ではいかないようなものとなる。

 所謂、『根の深いバグ』と言われるやつである。


「そう言うのは、一字一句、間違っていないことを確認していくしかないよ。

 それでも見つからない様なら、仕様から間違っているかも知れないから仕様を見直すしかないよ」


 隣の迫野さんからアドバイスらしきものを受ける。

 助けてはくれないのね……


「それの仕様分からないから、手伝えないと思うんだよね。

 大砂さんなら、何か分かるかも知れないけど……帰ってきたら、聞いてみるしかないよ」


 大砂さんは今、他のお客さんとの打ち合わせで出かけている。

 流石に『教えて頂きたいのですが……』と電話を掛けるわけにはいかない。


(う~ん、分からん……)


 何度、見直してもおかしい様なところは見つからない。

 仕様書をひっくり返してみても、問題になりそうなところもない。


(おかしいなぁ……)


「水島さん、今月の勤務表が出てないみたいですけど……」


 席の後ろから、事務を担当している山下さんから声を掛けられた。


「え? 今日って締めの日でしたっけ?」


「はい、そうですよ」


「今日って何日でしたっけ?」


「28日ですよ」


 そういえば、今月の締め日はその位になるって言われていたような気がする……


「済みません、忘れてました。

 今から書くので、帰りまでには出します」


「15時までに提出してもらわないと困りますので、お願いします」


 今は13時30分だから、あと1時間半か……


「はい、15時までに提出します。

 済みませんでした」


「お願いします」


 山下さんは踵を返して、自分の席へと戻って行った。


 はい、今回の件については俺が全面的に悪かったです。

 許してください。


 デバッグを中断して、勤務表へ勤務時間を入力していく。

 近々、締めの日だとは思っていたけど、今日だったとは……とりあえず、早く勤務表を提出しないと。


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