筋トレ雑感 超回復はない?
筋トレをしようと本を読んでみると必ず書いてあるのが超回復という理論。超回復は筋トレを計画していく上で考慮すべき理論である。
超回復の概要
1.筋トレで筋繊維が傷つく
2.筋トレ後48~72時間で筋繊維が修復され、その際に筋肉がわずかに増強される
3.1.2を繰り返すことで筋力は増強されていく。
筋トレをする人はこの理論に基づいて、二、三日ごとに筋トレをしたり、分割法といって鍛える部位を2~4に分割して鍛えていく、など超回復理論に基づいた筋トレをしていくのである。
が、この超回復という言葉は海外では使われない、日本だけの考え方である。こういう理論にはエビデンスがあるはずだが、海外の論文で存在する超回復という理論は筋肉内のグリコーゲンが超回復する内容であり、筋肉が回復とは書かれておらず、別理論なのである。
これでは超回復の前提が間違っていた、ということになる。
なので、トレーナーの中には超回復のエビデンスはともかくトレーニングする際に体感的には間違ってはいないので、活用しているという人もいる。
では超回復が間違いかというと、そうとも言えず、この超回復はハンス・セリエが提唱したGAS:汎適応症候群に基づいていると説明する人もいる。(それがいつの間に超回復という言葉に置き換わったのか、は説明されない)
GASの概要
1.警告反応期=筋トレ(ストレス)で疲労が溜まり始める。
2.抵抗期=筋トレ(ストレス)での疲労がさらに溜まり、これに抵抗するために身体がストレスに適用しようとする力(強化)が働く。
3.疲弊期=筋トレ(ストレス)により疲労が限界に達して抵抗できなくなる。
このGASの概念をトレーニングに当てはめ、2.抵抗期まで筋トレして行こうとするのが
超回復であるとされる。
正直、この超回復の説明ではちょっと説明不足というか苦しいとおもうのがワタシの私見である。
このように超回復はその理論の前提が怪しいものの、筋トレを計画する際には感覚的に分かりやすいため幅広く活用されているのである。
しかし、近年はその有用性や正確性などに疑問を呈する人も多く、別の理論を模索している段階であると言える。
その別理論としてフィットネスー疲労理論というものがあるのだが、超回復のような分かりやすいものではないため、要約できないでいる。頭の中で整理が出来ればまた書いてみたいと思う。