表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今どきハンドガンだけで異世界とか地味すぎる!!  作者: ヤナギ・ハラ
第一章 異世界転移 新しい身体と新しい世界
19/79

19 そして新たな旅だちへ…

 オークの村で起こった出来事は痛ましいものだった。

 しかし、たった二人ではあったが生存者を見つけ出すことが出来た。

 確かに村は滅んでしまったが、今は彼らの生存を喜ぼう。



「こいつらは一体何者だったんだ。装備からして、ただのゴロツキには到底思えないんだよな。」


「私に聞かれても知らないわよ。人間族なんて興味もないし別に知りたいとも思わないわ。」


「まぁ、ミミからしたらそうなのかもしれないけど、襲われる側からしてみたらそうも言ってられないよ。」


 村を襲った人間たちについてミミと話すが、やはりこいつらのことは知らないようだ。そもそも精霊という存在自体が、人間族と接触するという事自体なさそうである。


 そんなことを話しながら地面に転がっている…この村を襲った人間たちの遺体を調べる。今自分達がいる場所は、森の中、人間達と戦っていた場所だ。何をしているのかと言うと、遺体を調べて、こいつらの身元が判るような何かしらの手がかりが得られないか探っているところだ。


「しかし、見れば見るほど人間そのものだな。」


 襲ってきた来た連中は紛れもない人間であった。今は狼の頭をしているが、元は人間だった自分からすれば同じ種族である。そんな奴らが亜人に手をかけていた…。なんともやるせない思いだ。


「シュンは元は人間族だったんだっけ…。」


 ミミは自分が別の世界から転移してきた元人間であることを知っている。同族をこの手で殺めてしまったことで気が落ち込んでいるのではないかと、心配してくれているようだ。


「いや、確かに俺は元人間だったけど…。ていうか今でも中身は何も変わっていないよ。だからといって、殺めたことについては、なんの後悔もしてない。心配してくれてありがとう。俺は大丈夫だよ。」


 確かに元は人間だった。しかしいくら顔が変わったからといって中身までそんな直に変わるものではない。今も、そしてこれからも篠崎瞬という人物は決して消えたりはしない。人として生きてきた、これまでを全て捨て去るつもりはない。

 しかし、だからといって、あの場面で撃たないという選択肢は無かった。あそこでピピィやゴブゴブを見捨てることは出来ない。そんな事をしてしまえば、それこそ自分が自分ではなくなってしまう。仲間を見捨てるなどありえない。

 それにあの時の感覚を思い返すが、やはり射撃していた時の感じは、現実とは少し異なっていたと思う。現に今もこうして遺体を目の前にしていても何の罪悪感も後悔の念もない。ただ敵を処理したに過ぎない。


 仲間に対しての感情は以前と変わらないのに、この違いはどういうことなのだろう。



 そんなことを考える中、遺体を調べていく。

 思考を巡らせるのもいいが、今は目の前の事に考えを寄せるべきだ。


「この鎧からみるに、やはりある程度の精錬技術は持ち合わせているよな。鎧もだが剣もただの鉄の塊じゃなくって鋼みたいだし。」


 もちろん鍛冶についてなどまったくの素人なので、詳しいことはわからないが、それでもこれらが確かな技術力で作られているということは理解できる。


「鎧や装備に紋章なんかあれば身元がわかるかもって考えたけど、そもそもそれが紋章なのかただの模様なのか見分けがつかないから意味ないか。」


 紋章などはその者の家などを知るための重要な手がかりだが、この世界の知識がゼロなので見た所で知るよしもなかった。しかしそれでも調べることがまったく無意味というわけではない。


 懐を探り持ち物を調べる。腰に吊るされた革袋から幾つかの硬貨が出てきた。


「これはどうみても貨幣だよな。ってことはやはり流通経済はそこそこ発達してるとみて良さそうだな。」


 出てきた貨幣は銀貨と銅貨、そして銅の板のようなもがある。大きさは2センチ程度だろうか。


「銀貨、銅貨はわかるけど…、この板っぽい粒は、小銭みない感じで使われているなのかな。それと…、金貨は持ってないみたいだな。こいつが所持していないだけで金貨自体は存在しているのか?」


 もし存在していたとしても、そんなまとまった大金を普段から持ち歩かない可能性もある。現代日本でいえば、100万円の束をポケットに入れているかと問われれば否と応えるだろう。


「これらの貨幣がこいつらの国のお金だったとして、これって独自の貨幣制度なのかな。それともゲームとかでお馴染みの統一通貨なのか…。もし国ごとに貨幣が異なるなら、金貨などは正貨として統一なのかそれとも…。んー今の段階ではなんとも言ないな。」


 国ごとに貨幣が異なっているならば、国によって貨幣価値は異なる。手元にある硬貨がどの程度のものになるのかは、そこらへんを詳しく調べなければならないだろう。


「まぁ、こいつらそこそこ身なりはいいから二束三文の価値しか無いってことはないだろう。」


 流通経済がしっかりしているのならば、何をするのにも金がかかる。どこぞの兵隊さんか判らないが、文無しってことはないだろうから、普通に価値のある通貨だと信じるしかない。


 さらに持ち物を探っていると、貨幣の他に幾つかの小物入れを所持しており、中には束ねられた紐や布切れ、そして小型の刃物などがあった。他には小さな石と金属板が同じ布で包まれていた。恐らく火打石と火打金だろう。そして何かしらの繊維も同封されていたので、恐らくはこれが火口なのだろう。

 そして以外だったのが作りは荒いながらも針や糸なども所持していた。こいつら意外に器用なのか?と思ったが、よくよく考えてみると、戦場の先で針子など居るわけもないしある程度のことは自身でなんとかしなければならないのだろう。

 他に目につくものとして革袋に入った水や非常食のようなものがあった。そして面白いことにスプーンまで所持していた。持っていて邪魔にならないのだろうか。


 他の遺体も同じように調べてみるが、どこも同じ様な所持品であった。恐らくこれらがこの世界での基本的な所持品なのだろう。


 取り敢えず貨幣だけでも集めておこうと思っていたが、ふとあることに気がつく。


「こいつらの所持品ってアイテムとしてストックすることが出来るのでは。」


 そう思い今集めた貨幣をストックしようとする。すると何事もなく収納することが出来た。そして貨幣のみならず小物入れなども同様に収納可能であった。


「おお! 相手の持ち物もストックすることが出来るのか。これは思わぬ発見だ。ということは、もしかして装備品もいけるのか?」


 遺体から甲冑や篭手などを取り外す。そして同じように収納出来るか試した。結果としてなんの問題もなく取り込むことが出来た。


本気マジか…。アイテムとしてみなされれば何でもいけるってことか…。これは想像以上に使えるぞ。」


 そうと分かれば後は行動するのみである。他の遺体も同様に探り入手出来るアイテムを残らず収納していく。非常食は言うに及ばず防具なども今は使い道がなくてもそのうち役に立つかもしれない。



 全ての遺体からアイテムを回収する。流石に衣服まで剥ぎ取ることは躊躇われた。それに死人の服など着たくもない。どうしても必要になってくれば話は別だが、今はそこまで追い詰められては居ない。


 そこには遺体だけが残っていた。


「さて、あらかたアイテムは回収出来たが…。こいつらはどうするかな…。」


 ゲームでは敵を倒した後は、時間が経過すれば自然と消えていったが、あいにくこれは現実であり、いくら待っていても勝手に消えるということはない。


 確かにこいつらは自分の手で殺したし、それについては何の負い目もない。こいつらはそれだけのことをしでかしたのだ。しかしだからといって遺体をそのまま野晒しにするのは、やはり何か違うように思える。

 やはり日本人の感覚として仏さんを無下に扱うのはあまり良い気がしない。この世界に恐らく仏教などは存在しいないのだから、仏も何もないだろうと突っ込みたくはなるが、それはそれで気の持ちようである。


「しかたない。こいつらも埋葬してやるか。」


 一旦村に戻り、村で倒した敵のアイテムも回収する。

 そして村にいるゴブリン達に人間を埋葬することにした考えを話す。本当ならばもうこの村に要はないから彼らの集落に戻ることになるのだが、少しばかり時間が欲しいことを告げたのだ。すると彼らは自分たちも手伝うと申し出てくれたのだ。この申し出に驚いてしまった。彼らからしたら自分達に襲ってきた敵以外の何者でもないのに、それでも手伝うと言ってくれたのだ。流石に手伝わせるのは忍びないと最初は断ったのだが、それでも彼らは手を貸してくれるという。

 彼らの懐の深さに感謝しつつ、もうそろそろ夜も暗くなる時間になってくるので、明日改めて埋葬する手はずになった。




 翌日、夜が明けるとともに、人間達を埋葬するたに行動を開始する。

 埋葬する場所は森に入ったすぐ近くの場所にすることにした。流石にオークの村に人間たちを埋葬するのはオーク達に対して失礼であるからだ。


 村にあった遺体を入り口近くまで運ぶ。森の中にある遺体も同様に集めていく。一人で運ぼうとするととても面倒なことになるが、遺体を運ぶのもゴブリン達が手伝ってくれだ。本当彼らには感謝しかない。


 遺体を集め終えると、後は埋葬用の穴を掘るだけだ。この人数であればそれほど時間もかからないだろう。








 昼を前にして全ての遺体を埋葬することが出来た。 


「みんなありがとう。おかげで思ったより早く埋葬することが出来たよ。」


『ギャウギャギャ、クギャユギャ。』


 

 亡くなった者の埋葬も済まし、生存者も保護することが出来た。

 この村でやるべきことは全て終えただろう。


 全てを終え、目的も達成した一行は、ゴブリンの集落へと戻ることにした。






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





 長い時間をかけ、集落へ戻ってくることができた。たった数日の出来事であったが、いろんな事が起こり過ぎて、もうかなりの年月がたったように感じてしまう。それだけ精神が摩耗していたのだろう。


 集落に帰ってくる大勢のゴブリン達が出迎えてくれた。彼らも色々と心配していたのだろう。そこかしこで言葉を掛け合っている。無傷とは行かなかったが、それでも皆無事に帰ってくることが出来たのだ。集落に残った家族たちからしたらさぞ安堵したことだろう。


『ギャウギャウ、ギャギャクグギャ』


 こちらに話しかけてくるゴブリンがいた。ドルイドゴブリンだ。彼にはこの旅の間世話になりっぱなしだった。彼が居なければミミの言葉を伝える事が出来ずに、意志の伝達に苦労してしまうところだった。そんな彼がこちらに何かを伝えてくる。


「どうやら、今回の出来事を集落の人たちで話し合いをするそうよ。」


 ミミが彼の言葉を教えてくれる。

 彼はこの集落の智者であり、様々な決定にも関わっているのだろう。これからの方針を色々と決めなければならない。特に村の生き残りであるオクオクやピピィの扱いについても話し合いは必要だろう。

 彼らの性格はこの数日間いっしょにいたことでなんとなく理解できた。彼らは他者を思いやることの出来る種族だ。無下に扱ったりはしないだろう。


 集落の中へと足を運んでいくドルイドゴブリン。その後ろ姿を眺めながら自分のすべきことを考えていた。実はこの数日の間、ある考えが頭をよぎっていたのだ。確証はないが、それでも無視することの出来ないこと。


「ミミ、それにピピィ。ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど、協力してくれないかな。」


「ピィ?」


「協力? 別に構わないけど、いったいどうしたの?」


 彼女らに手伝ってもらい自分の考えをゴブリン達に伝えることにした。



ーーーーーーーーーー



 集落の中央付近に建てられている少し大きめの建物、おそらく村の寄り合いなどで使われている家なのだろう、その一室に幾人のゴブリンが集まっている。この集落の代表たちだ。これからの集落の方針について話し合うために集められた者たちだ。その中に、部外者である自分とピピィ、そしてミミが同室している。

 何故この場に自分たちがいるのかというと、自分の考えを伝えるためだ。自分だけだと相手に言葉を伝えることが出来ないので、ミミとピピィに同席してもらっている。


『ギャウグギイ、ギャウギャウギギャ?』


「伝えたいことって何ですか。って言ってるわよ。」


「伝えたいことっていうのは、今回の襲撃の事についてだよ。そのことで、疑問に思ったことを話したいと思う。」


 そう、自分が考えていた事とは、襲ってきた人間たちのことだ。

 奴らはいったい何者なのか。

 何故襲ってきたのだ。

 それらも重要なことには変わりない。

 しかしそれらよりももっと考えなければならないことがある。

 


 “ いったい何処から来たのか ”



 そう、奴らは何処から来たのか、これがもっとも重要なことだ。


 この近くに人間の街などは存在しないとミミはいっていた。彼女の話を信じるならば、ここら一帯は人間の領地ではないということだ。つまり奴らからしたらここは他領になる。人間の支配地域ではない。ということは奴らは他領から攻めて来たことになる。両領地がどれほど離れているかは知る由もないが、少なくとも気軽に行き来出来る距離ではないだろう。短くない距離のはずだ。


 つまりそれほどの距離を移動して来たのだ。

 奴らの装備を改めて思い返す。

 手頃な所持品しか持ち合わせていなかった。

 ではあの所持品でそのような距離を移動できるのか。


 否、不可能である。


 人は食べねばならぬし飲まねば生きて行けぬ。

 個人であればその場で調達も出来るだろう。

 しかしこれが隊となれば話は変わってくる。

 大量の物資が必要になってくるのだ。

 軍行と物資は切り離すことは出来ないのだ。

 奴らの所持品では圧倒的に物資が足りていない。

 では着の身着のまま物資不足で攻めてきたのだ。

 それこそありえない。

 ではどういう事か。


 奴らの他に物資を運んでいる者たちが居るのではないか。

 補給線が確保出来ているのかもしれない。

 ベースとなる拠点があり、そこを軸に移動しているのではないか。

 そう考えると辻褄が合う。

 

 つまり奴ら以外にも人間がいた可能性もあるのだ。

 これにはある程度の根拠もある。

 奴らは皆徒歩であった。

 徒歩だけで兵を動かすなどあるのだろうか。

 つまり馬の存在だ。

 移動手段にも物資を運ぶのにも馬は無くてはならない存在である。

 馬をとめている拠点があるはずだ。


 奴らは何処から来たのか。

 もしその拠点を軸に移動してきたのだとしたら。


 その拠点に他の仲間もいるのではないか。


 この考えが間違っていたとしたら、それはそれで構わない。

 しかし、もしこの考察が正しいのだとしたら…。

 これは無視できる問題ではない。



 そのことを伝える為にこの場に参加させてもらっていたのだ。

 この考えをピピィとミミを介してゴブリン達に伝える。


 話を伝えられたゴブリン達は騒然としていた。

 村を襲った人間族がまだ存在しているのかもしれないのだ。


 今までは対岸の火事であった。

 しかし場合によっては火の手はこちらにも迫ってくるかもしれない。

 気の所為だと簡単に済ますことは出来ない。



 ゴブリン達は色々と話し合っている。集落の行末についての話し合いなので、まだまだ続くだろう。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





 それから数日、長いこと話し合いは続いた。集落の存亡に関わるかもしれない話し合いは、集落の代表だけでなく住人たちにも及んでいた。


 自分は部外者であり話し合いに参加することはしていない。しかし何もしないという訳には行かない。この集落でお世話になっているのだ。出来ることは積極的に手伝うことにしていた。

 集落で飼っている家畜の世話や川からの水くみ、薪の調達などを森に入り行っていた。また食料調達の為に木の実や果実を探したりもしていた。

 またゴブリン数人と狩りなどの手伝いも行っていた。狩りでは銃を使うとその発砲音で獲物が逃げてしうので、ナイフを投擲しての狩猟である。ナイフ投げでの狩りなど現実世界では難しいが、いくらかの補正が掛かっているお陰が意外とスムーズに行うことができた。ゲームでナイフ投げの練習は結構してきたが、それがまさかこの様な形で役に立つとは当時は思っても見なかった。AIM練習がこんなとろこで役に立つとは、世の中わからないものである。


 そんな生活を数日過ごしていた明くる日、長いこと続いていた代表たちによる話し合いが終わった。



 集落移動



 それが話し合いで決定した内容だ。

 慣れ親しんだ住処を放棄し新しい土地へと移り住むのだ。

 言葉にすると簡単だが、それは決して容易いことではない。

 苦渋の決断だっただろう。

 しかし住人の命には代えられない。


 人間達がやってきた方角から逆、さらに森の先に居住を移すことにした。かなり遠くまで移動することになるが、そこまで行けば流石に人間達も襲っては来ないだろうという考えだ。普通ならばかなり険しい道程になるが、彼らゴブリンは森に住む民であり、なんとか乗り切ることが出来るであろう。


 ゴブリン達の決定に異を唱えることはない。彼らが下した決定だ。尊重するべきである。


 そして自分もこの数日集落で過ごす中で考えていたことがある。

 これから先の事だ。

 今はこの集落の世話になっているが、いつまでこうしている訳には行かない。

 それに生きていく上でこの世界の情勢について調べる必要がある。


 なのでこの集落から離れることにした。


 ただ、今離れるとなると彼らを見放すことになってしまう。

 自分が人間の事を話した事で住処を移動することになったのだ。それを放おって出ていくなどそんな無責任なことは出来ない。責任を負う必要がある。なので集落を移す間出来る限り手助けをするつもりだ。彼らの移動をサポートし、危険が迫れば力を貸すつもりだ。もし移動の途中に人間たちが襲ってきたら、身を挺して守るつもりである。


 そして新たな地にて彼らが居を構え、生活が安定したらそこで改めて旅にでようと思う。


 そのことをミミに伝えたら、なんと彼女も旅について来てくれるという。


「ミミ、良いのかい? 無理に付き合う必要はないんだよ。」


「あら何言ってるのよ。もともと精霊なんて適当にそこらに住んでるんだから、何処に行っても同じようなものよ。そもそも精霊なんて自由に生きてるんだから私がそうしたいからそうするだけよ。それに…」


「それに?」


「さんざん精霊を餌付けしておいて、要らなくなったらはいサヨウナラなんてそんな虫のいい話は許さないわよ!」


 そう言いながらミミはこちらの頭の上に飛んできていつもと同じように座ってきた。そんな彼女のいつもの様子に思わず笑みが溢れる。


「…ありがとう。」


「このミミさんにとーーても感謝することね。特別にレーション百個で許してあげるわ。」


「いや百個って…、そんな数無理に決まってるだろ。」


「何よ! 私の言うことが聞けないの! 最初から無理って決めつけてるから無理なのよ。気合を入れて捻り出しなさいよ!」


「そんな無茶苦茶な…」


 そんな彼女とのやり取りもまだしばらくは続けられると思うと、自然と笑顔になる。心が満たされる思いだ。彼女にはこの世界に来てから沢山助けられてきた。どれだけ救われたか。本当に感謝してもしきれない。

 

 …面と向かっては言わない。言うと調子に乗ってレーションを強請ってくるからだ。それさえなければ素直に感謝できるんだけどな…。


 彼女となら辛い事があってものりきることが出来るだろう。



 








  彼女との旅はきっと楽しくなるだろう。







ここまでお付き合いして頂きありがとうございました。

今回にて第一章完結となります。

次回から新たな章へと入っていく事になると思います。

もしかしたら幕間を挟むことになるかもしれませんが、まだ決定していません。


そして皆様にお詫びしなければならないのですが、

今回にてストックが尽きてしまいました…。

単行本一冊程度はストックしていたのですが、

まさかこれほど早く尽きるとは…。

調子に乗って一気に上げすぎてしまったのでしょうか(汗


ですので、ここまで楽しみにして下さった皆様には申し訳ないのですが、

更新スピードが下がってしまいます。


出来上がったら随時上げていくか、ある程度ストックが溜まってから上げるかはまだ決めていません。どっちが良いかもしよろしかったらコメント頂けると助かります。

そして、どちらにしてもこれからも作品はアップしていきたいと思っておりますので、これからも当作品をよろしくお願いいたします。


もしよろしかったら、感想、評価、ブックマークをして頂けると、作者のモチベーションUPにも繋がりますので、是非よろしくお願い致します。

テンションUPすれば更新頻度もあがるかもしれません!

(筆不精なので確約は出来ませんが…汗)


それでは皆様、またお会い出来ることを楽しみにしています。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ