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今どきハンドガンだけで異世界とか地味すぎる!!  作者: ヤナギ・ハラ
第一章 異世界転移 新しい身体と新しい世界
13/79

13 接触

 川沿いを駆け足で進んでいく。


 オークの村が人間族に襲われていたのでその事を別の村に伝えるためだ。

 まだその村が人間族に襲われるとは決まっていないが、それでも注意を促すに越したことはない。なので早く知らせるために急ぎ足てその村に向かっている。


 ミミは頭の上で女の子座りをしながら道案内をしてくれている。とはいっても彼女もその村の位置を知っているというわけではなく、その近くで人を見かけた事があるからあくまで村があるかもしれなという予測でしかないが。


「ちょっと止まって。」


 頭の上に座っているミミが頭の毛を引っ張りながら止まるよに促してくる。まるで馬車を運転する御者のよううだ。もちろん馬役は自分である。


「ここから森に入って少しのところで以前人影を見かけたわ。」


「ってことは、この近くに村か集落があるって事か。」


「まだあるって決まったわけではないけどね。」


 森の中に足を踏み入れ辺りを注意深く観察しながら進んでいく。

 ここからは駆け足でなく移動速度を落としての進行をしなければならない。何か手がかりとなるものを見逃してはならないからだ。







「…あっち、人の気配がするわ。」


 森の中を進むこと数時間、辺りに注意を向けているとミミが何かを感じ取ったらしい。

 ミニマップを確認するが人が居るというマークは映し出されていない。念の為メイン画面を開き全体マップでも確認するが、やはり人の気配は捉えられていない。


「…こっちでは何も映っていないけど、どこらへんに気配を感じるの?」


「ちょっとまってね。」


 頭の上からフワリと飛び立ち全体マップの前まで移動してくる。


「んとね、こっちのあたりから気配を感じるわ。」


 気配を感じた辺りを指差して伝えてくる。こっから数分ぐらい移動した辺りの場所である。


「距離的に結構離れてるけど、そんな遠くまで気配を感じ取れるものなの?」


「まーね、これでも精霊ですから。注意深く意識を集中させればそれなにの距離でも感知できるわよ。森の中とかだとそこまで人の数が多いわけではないから目立つしね。」


 なるほど。確かに人が沢山居る街とかだと人の気配が多すぎるが、こう森の中だとそもそも人の数が少ないからそこにぽつんと気配があると逆に目立つのかもしれない。


「それにしても、ミミは感知することができたけどマップには表示されないのか…」


 ゲームの性能では、チームメンバーが敵の気配を察知するとその情報が仲間全体に共有されマップに赤いマークが映し出される仕組みになっていた。


 しかし今現在、ミミが感知しているのに情報が共有されていない。

 これはゲームと仕様が異なるのだろうか。それともその認知された人物が敵ではないから映らないのだろうか。いや、敵でなくても、たとえば護衛対象なんかを見つけた場合は赤ではなく黄色いマークとして映し出されていた。そう、敵でなくても表示されるのだ。

 ゲームではチーム全体で情報が共有されるのに、やはりゲームとは少し様子が…



 …チーム…



 ゲームではマーカーという形で敵や護衛対象などがマップにて表示されていた。

 それはチーム全体で共有される形だった。


 そう、チームでだ。


 ゲームでは同じチーム、つまりパーティーメンバーでミッションなどを行っていた。

 そしてパーティーではそれ専用のパーティーチャットなどがありチーム内でやり取りをすることが出来ていた。


 メニュー画面に視線を向ける。そこに表示されているミミの名前の所に注目する。

 そこにはミミの名前が確かに映し出されている。そのではグループ表記もなにもなくただの個人として名が映っているだけだ。


 そこに特別クランやパーティーを組んだという表記はされていない。

 ミミとの会話も個人チャットで話すという形を取っている。

 今の探索でミミの索敵情報は共有されていなかった。


 ならば、もしミミとパーティーを組んとしたらパーティー内で情報を共有できるのではないだろうか。


「ミミ、ちょっと確認したい事があるんだけどいいかな。」


「あら、何かしら。」


「これからあることをしたいんだけど、それをミミに協力してもらいたいんだ。」


「別に構わないけど、いったい何をするの?」 


 メニュー画面からパーティーの項目がある所を選択しパーティー申請の表示を映し出す。


「今からミミにパーティー申請を送るんだけど、もし申請が届いたら許可してほしいんだ。」


「新しい能力を試そうってことね。申請ってのがよくわからないけど、まぁ、とりあえずはいいわよ。」


 ミミの許可を得たのでパーティーを組むための申請をミミに送る。


「今申請を送ったんだけど、どう?届いたかな。」


 ミミの方を見てみるが特に変わった様子は見られない。自分のステータス画面のように申請の許可/拒否といった選択画面が現れるといったこともない。


「今の所変わったところは無いわね…。ん…? ぁ…ちょ、ちょっとまって。」


 何かを感じ取ったのかミミが何かに反応している様子だ。


 見た感じ変化は何も見受けられないので、内面での変化が起っているのだろうか。


「この感覚…受け入れ… あっ…」


 次の瞬間何かが確かにつながったような感覚、不明瞭だったものがクリアになったような変化を感じ取ることができた。今までの個人チャットとはまた異なる感覚だ。


「これまた妙な感覚だわね。こんな感覚初めてだわ。」


 なんとも言えない表情を浮かべている彼女だがその気持も分からなくはない。自分も同じ表情をしているかもしれない。


 浮き立つ気持ちを切り替え、改めてマップを確認する。そこには今まで表示されていなかった新たなマーカーが出現していた。


「これがミミが言っていた気配のマークか…。すごい、本当に共有出来ている。」


 ここから結構離れた位置にマーカーが表示されているのその探索能力の高さが伺える。ゲームで敵の探索といえば偵察兵だが、それに近い能力だ。


「パーティーを組むこともできたし、もしかしたらもっと色々出来ることがあるのかもしれない…。これは後々調べて行かなきゃな。」


 一人では出来なかったこともミミがいれば出来るようになっているかもしれない。それを検証していく必要があるだろう。


「でも今はこっちが優先か。まずはこのマーカの人物に接触しよう。」


 マーカーの位置まではまだ少し距離が離れている。だがミミの把握能力で位置を特定出来ているのですぐに接触出来るだろう。


 森の中をマーカーに向かって進んでいく。迷うことなく一直線に目的に向かえるので今までの手探りの探索とは大違いだ。


 歩くこと十数分、マーカーのすぐ側の距離まで接近する。

 このまますぐに接触しようかとも思っていたが、万が一その人物がコチラに害をなす存在だった場合を想定して、まずは物陰から確認することにした。


 マーカーの位置をマップで常に確認しながら、向こうからコチラが視認出来ないよう物陰に隠れながら近づいていく。


 念の為ミミにも頭から離れないで居るようにお願いしている。


「私の事を認識出来る人なんてそうそう居ないんだから必要ないんですけどーー。」


「念の為だよ。万が一ってこともあるし、後でレーションあげるからさ。」


「むむっ! そこまで言われたら仕方がないわねー。約束忘れないでよ。」


 ミミにも納得してもらい、身を隠しながら更に近づく。


 既にかなり近くまで接近している。マーカーの人物はすぐ側のこの茂みの向こうに居る。

 向こうからはこの茂みのお陰でこちらを視認出来ないでいる。


 一旦落ち着くために深呼吸をする。ここで焦って慌ただしく動けば向こうに気づかれてしまう。なので落ち着いて行動しなければならない。


 もし害ある存在だとしたら、すぐに行動を起こせるようにナイフに手をあてて置く。無論使わないに越したことはない。それに無理に争う必要もない、逃げれるのならば速やかに立ち去るべきだ。


 数度の深呼吸で呼吸を整え、マーカーの人物を確認すべく意を決して茂みから向こうを確認する。茂みの向こうにいた人物はまだこちらに気が付いていない。




 その存在を確認し、その存在に目を丸くする。

 全身がくすんだ緑色の肌をしており、身長はとても低く小学生程度の高さだと見て取れる。頭がデカく耳と鼻が尖っており明らかに人間とは異なった造形は酷く異様に思える。ボロを身に着けているソレはとても文明的とは言えないだろう。

 実物を今ま見たことがないソレであるが、しかし創作においては常に登場する存在。


「っ、 ゴブリン!!」


 その存在を目にして思わず声を上げてしまった。

 声を上げたことによりゴブリンにもこちらの存在をに気が付かれてしまった。


 ゴブリンは攻撃性が強くとても好戦的ですぐい襲いかかってくる魔物として扱われることが多く、また人間の女性に暴行を働き孕ませる忌むべき存在として討伐対象になっている場合が多い。


『***ギャ! ギ***ギュギャ***!』


 ゴブリンがけたたましい声を上げる。その口から発せられる声は聞いたことも無い異様なものに感じた。そして奇声を上げるゴブリンは鋭い目つきでコチラを睨みつけてくる。まさに凶悪そのものだった。


 とっさにナイフを手に取り構える。そしてその切っ先をゴブリンに向ける。この小さなナイフでどこまで牽制出来るか分からないが無手よりはマシであろう。


「ちょっ!! ちょっとーーーー!! 何しようとしてるのよっ!!」


 ミミがいきなり大声を上げ目の前に立ちふさがる。両手をバタバタとさせこちらに問い詰めてくる。その大声に思わず後ずさる。


「ミミ! どいて!! ゴブリンだ!!」


 その危険な存在に思わず声を荒げてしまう。しかしミミは一向にその場を動こうとしない。


「だから! そのゴブリンに何しようとしてるのって聞いてるの! いきなり武器なんか取り出してさっ!」


「何って! ゴブリンだよ! ゴブリンなんだから…」


 ゴブリンだから…

 ゴブリンだからどうしようと?


 何故自分はゴブリンにナイフを突きつけているのだ。

 ゴブリンが凶暴だから。 襲ってくるから。 忌むべき存在だから。

 確かにゲームではゴブリンはそのような存在であった。


 だが、ここはゲームではない。


 ゴブリンに視線を向ける。

 そこには尻もちを付いて手を後ろについているゴブリンが居た。

 目には大粒の涙を浮かべ歯をガチガチと鳴らしている。全身が小刻みに震えておりこちらを睨みつけている。いや、睨みつけていると思われる瞳には明らかな怯えの表情が見て取れた。


 ゴブリンは凶悪な存在だと決めつけていた。だからその異形の顔は恐ろしく、鬼の形相でコチラを睨みつけているように見えていた。


 だが、その前提自体が間違っていたとしたら。


 ゴブリンは凶悪な存在。

 その偏ったフィルターを外して見た目の前のゴブリンは凶暴とは正反対の酷く小さく弱々しい存在に見えた。


 鬼の形相で睨んでいると思っていた目は、驚きと恐怖でこちらを凝視しているだけに見える。その小さく怯えている存在に自分は何をしようとしていた…。


 手には未だにナイフが握られている。

 つい先日、オークの群れの虐殺現場を目撃した。人間族が一方的にオークを斬り殺している場面だ。


 自分は同じようなことをしようとしていたのではないか?

 その事に気がつきとてつもない罪悪感、そして嫌悪感が身体を支配する。

 自分は知らず識らずのうちにあの人間族と同じような行動を起こそうとしていたのだ。


「…クソッ。 何やってんだよ俺…。」


 己の身勝手な差別意識に怒りを覚え、ナイフを地面に投げつける。

 その行動にゴブリンがビクッと反応し、さらに怯える。


(しまった!)


 身勝手な行動でまたゴブリンを怖がらせてしまった。

 自分の感情などにかまってる暇はない。

 まずはゴブリンに敵意がないことを伝え安心させなければ。


「すまない。怖がらせるつもりはなかったんだ。こちらに危害を加えるつもりは無い。驚かせてしまい申し訳ない。」


 謝罪をし頭を下げるが、ゴブリンは未だに怯えた表情を崩さずこちらを見つめている。

 その後も謝罪の言葉を述べているのだがゴブリンは警戒を解こうとはしない。


 こちらが一方的に悪いとは言え、この変わることのない反応にある疑問が頭をよぎる。それは以前から懸念していたことだ。


「もしかして…、やっぱり言葉が通じないのか…。」


 これだけこちらから話しかけてもその言葉に反応する素振りが見受けられないことを考えると、恐らくはそうなのだろう。


 それに先程ゴブリンの口から発せられた言葉の事を考えればそれは事実なのかもしれない。ゴブリンの言葉は一切聞き取れなかったのだ。


「ミミ、やっぱりこちらの言葉は通じてないのか。」


「そうね、あなたが話してる言葉はあの子は理解出来てないわね。」


「やっぱりそうか…。それと確認なんだけど、やっぱりミミの事は…」


「ええ、見えてないわよ。気配すら感じ取れていないわ。まぁ、それが普通ではあるんだけど。」


 やはり精霊であるミミのことは認識出来ていないようだ。そうなると少し不味い事態だ。こちらの言ってることは相手に通じず、意思疎通が出来ない。

 だがまだ手がないわけではない。こちらには精霊であるミミがいる。彼女であれば相手の喋っている言葉を聞き取ることが出来るのだ。


「ミミ、彼が何を言っているか分かるかな。」


「あの子すごい怯えているわ。あなたのこと追い剥ぎか何かだと思っているみたいね。まぁいきなり刃物突きつけられたらそう思っちゃうのも仕方がないわよ。」


 そう言われると耳が痛い。こちらの世界のゴブリンについて知らなかった事とはいえいきなり刃物は確かに野党と思われても仕方がないのかもしれない。だがいつまでも勘違いされたままだと一向に状況が良くならないので、なんとか誤解を解かなくては。


「さっきは本当にすまない。言葉は通じないかもしれないけど、俺は君に危害を加えるつもりはない。」


 たとえ言葉が通じなくても、それでもやはり語りかけていくしかない。そうしなければ前に進めない。


 威圧的にならないよう注意しながら話しかけていると、追い剥ぎではないことが伝わったのかほんの少しだが警戒の色が薄まったように感じる。それでも依然警戒していることには変わりがないのだが、そいでも先程よりかはだいぶマシだろう。


 どうにかして警戒心を解いてもらわなければ。

 そこでふとあることが頭に思い浮かぶ。


「そうだ、もしよかったらこれ食べないかい。」


 ベストのポーチからレーションを取り出す。ミミはこれを珍しそうにしていた。もしかしたらこのゴブリンにも使えるかもしれない。


 包装紙から中身を取り出しゴブリンに差し出す。

 ミミが何やら騒ぎ立てているがとりあえずは無視だ。今はゴブリンが優先である。


 しかしゴブリンはレーションを受け取ろうとはしない。もしかしたらレーションが何か分かっていないのかもしれない。確かにレーションという存在を知らなければその形から食べ物だとは思わないだろう。


 レーションが食べ物だということを伝えるために、まずは自分で一口食べる。


「もぐもぐ。うん! 美味しい! よかったらキミも食べないかい。」


 頭の上でミミが物凄いわめいている。足をジタバタとさせ、両手でポカポカとリズミカルに頭を叩いてくる。それらを一切無視してゴブリンに語りかける。


 警戒しながらもゴブリンはレーションに注意を向けている。これが食べ物だと理解したのだ。

 差し出されたレーションを見た後、こちらの目を見てくる。

 こちらを伺っているのだ。

 そんなゴブリンにうなずいて返事をする。

 警戒する素振りをしながらも、レーションに近づくゴブリンであったが、未だ手には取らない。


「大丈夫だよ。これはキミにあげるものだから遠慮しないで。」


 優しく語りかける。

 悩む素振りをしながらも、しかし意を決したのか恐るおそる差し出されたレーションを手に取る。そして数歩下がって警戒しているのかコチラを見てくる。


 こちらが食べるように促すと、警戒しながらもレーションを一口頬張る。

 口にした瞬間ゴブリンが驚いたように目を見開く。そして我を忘れたかのようにレーションを食べはじめた。


 「あーーー!! あたしのーーーー!! ダメーーーー!!!」


 さらに激しく頭を叩く。太鼓の達人のごとく叩くようにポカポカと、いやもはやドカドカといっても過言で名はない勢いだ。正直少し痛い。


 レーションをあっという間に平らげたゴブリンは名残惜しそうにレーションの匂いが付いた手をペロペロとなめていく。


「美味しかったかい?」


 話しかけられたゴブリンはビクッと反応し一歩下がる。しかし最初よりだいぶ警戒の色は薄まったように思える。その表情も怯えながらも困惑が入り混じったように見える。


「怯えないで、君を傷つけるつもりはないんだ。」


 ゴブリンと目線の高さが合わさるようにその場にしゃがんで、相手の目を見ながら話しかける。


 その時、何かに視線を遮られれた。一瞬何が起きたと思ったが、冷静に見てみると目の前にミミがいた。鼻の上に、跳び箱を飛ぶのを失敗し時のような座り方をしており、そのまま手を使ってお尻を浮かせるようにしてスリスリと前に移動してくる。


「わーたーしーもーっ! 食べたいーーー!!」


 そのままロデオでもするかのように身体を前後に動かしながら大声で主張してくる。

 流石に鼻の上でそんなに激しく動かれると無視することも出来ず、仕方がないのでレーションを1つ包装紙から取り出す。


「もう…わかったよ。わかったから少しの間静かにしてて。一個上げるから頭の上でおとなしくしててよね。」


「やったー! わーいっ!」


 差し出されたレーションに抱きつくと、そのままいそいそと頭の上までよじ登りそのままパクパクと食べ始める。


 そんなこんなをしているとゴブリンが困惑したような表情を浮かべている。

 それもそのはず、ゴブリンにはミミの姿は見えておらず自分が一人でもぞもぞ何かをしている風にしか見えないのだろう。

 ゴホンと咳払いをし、その場を誤魔化す。誤魔化せたかどうかは微妙だが…。


「せっかくだし、よかったら君ももう一つ食べないか。」


 そう言いながら新たにレーションを取り出しゴブリンに差し出す。

 驚いたゴブリンは一度こちらを伺うがその後は警戒する素振りをみせることなくレーションを手に取り、そしてそのまま勢いよく食べだす。


 パクパク パクパク

 むしゃむしゃ むしゃむしゃ


 頭の上では精霊が。

 目の前ではゴブリンが。


 両者が無言でレーションに齧り付く光景は傍から見たらかなりシュールな絵面だろう。もちろん精霊であるミミの姿は見えないのだろうが。


 一足先にレーションを完食したゴブリンが、こちらを見ながらなにやらソワソワしている。その様子は何かをコチラに伝えたそうにしているようにも見える。


『**ガ、 **ガゥ**ゥ』


 落ち着いた様子で、何かを伝えようとしている。


「あなたにお礼を言ってるわよ。『食べ物ありがとう』ですって。」


 ミミがレーションを食べる傍らゴブリンが喋っていることを教えてくれる。ちなみにミミはまだレーションを食べ終えていない。彼女の身体の大きさからしたら当たり前のことである。


『ガウ**。ガ***ガウ***』


 ゴブリンが何やら喋っていると、森の奥へと進んでいく。そして振り向きコチラを伺いながらまた一言二言喋りまた奥へ進んでいく。


「…もしかして、ついて来いって言ってるのかな。」


「お礼がしたいから村について来てって言ってるわよ。」


 ミミから伝えられた言葉に驚きながらも、その事実に思わず笑みが溢れる。

 どうやって村に案内してもらえるよう伝えるべきか迷っていたからだ。まだ言葉が伝わっている訳ではないので問題が解決したわけではないが、それでもひとまず前進出来たことに安堵する。

 そしてミミと一緒にゴブリンの群れへと招き入れられるのであった。


なんとショタっ子登場です!

これで人気もうなぎのぼりー!


…はい、すみません。

ゴブリンはショタって言わないですね。

でも子供ゴブリンは一度出してみたかったので、物語に登場させてみました。

念願かなってよかったです。


冗談はさておき、ここまで読んで頂きありがとうございました。

もしよろしければお気に入りやブックマークなどをして頂けますと大変嬉しく思います。

ご感想なども頂けますと作者のモチベーションが上がり、更新頻度にも表れます!

何卒よろしくお願いいたします!

それではまたお会いできることを楽しみにしています!

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[良い点]  この先どうなっていくのか、気になります。人間と戦うはめになるのか、それとも危険がせまっていることを伝えて即逃げるのか。この先どうなるのか全然読めなくてとても面白いストーリーだと思います。…
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