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期待をしすぎると後悔がものすごくなったりする

………………。

………………。

………………。

………………。

…な…何も起こらない?

…おかしい…何かがおかしい!

とオレが疑問を感じているときだ。

「ぷっ…アッハハハハハハ!」

明るい笑い声に驚いて目を開けた。

そこにはお腹をかかえて笑っている宇佐凪の姿がある。

にゃ…にゃぬ!?

「だ…だましたのか!?」

オレが宇佐凪にたずねた。

すると宇佐凪が笑いながら答える。

「だっ!だって!アハハッ!」

もう…回答になっておりません。

…恥ずかしくて死にそうです。

まさかこんな形で一生に一度の大恥をするとは思いませんでした神様ぁ〜!

「で…でも最初は驚いたよ。まさかあんなとこに前原クンの腕があるからね〜」

と宇佐凪はなぜか少し嬉しそうに言った。

「あ…あれは理由があるんだ!!」

「分かってる分かってる。クロワッサン食べたかったんでしょ?」

すべてをわかっているように話す宇佐凪。

オレがコクリとうなづくと宇佐凪はどこぞから新しい紙袋を出現させた。

ごそごそと中身をいじりクロワッサンをオレに渡す。

「はい」

「あ…あぁ…」

目をそらしながら受け取ったオレ。

恥ずかしさに目があわせられない…。

だって簡単に言えばドキドキしてたのはオレだけってことだろぅ?

うぁぁぁぁぁぁ失態だぁぁぁぁ!

オレは思わず頭をかかえた。

それを見た宇佐凪は軽くニコっと笑う。

「大丈夫!誰にも言わないから!だってホラ!ワタシクチカタイデショウ?」

と外国人が日本語覚えたてみたいなしゃべり方で固さを表現した。

オレは正直この一言をまったく信用していない。

なぜなら…。

「そういえばさ、最近友達、好きな人がバレたんだってさ〜。

クラスからいろいろ言われてさ〜。いったい誰が言ったんだろうね〜?」

とあえてオレは少しわざとらしく言ってやった。

「さ…さぁ〜?だれだろーね〜?」

宇佐凪は背を向けてごまかすように言う。

「お前だろ…」

ビクッとなった宇佐凪。

「でっ!でも大丈夫だって!…………多分……」

「信用できるかぁぁぁ!」

「じゃあ話したら5千円あげるよ〜」

「あげるって「渡す」ではなく上に「上げる」のほうだろう…」

「ギクッ!!」

………。

しゅんとなる宇佐凪。

話す気マンマンじゃねぇか……。

「言ったらはたく!」

「ぅぁぅぅぅぅ〜…」

そしてオレは宇佐凪と絶対秘密の契約をにぎった。



「あっ!」

オレは宇佐凪が見ている目線の先…窓。

あっ…!

窓の向こうに映っていた景色は、ねずみ色と水のしずくではなく…。

燃え盛る太陽と純白の雲であった。

「雨…あがったんだ!」

宇佐凪はとても嬉しそうな顔をしている。

ドキッ…。

え…?何がドキッ…なんだ?

……はぁ……。

パタリと横になる。

大恥をかいちゃったけどこれはこれで…いいか…。

気づくとオレの心拍数は正常になっていてその反動かとても眠たかった。

さっきまでものすごくドキドキしてたワケだからしょうがないか…。

寝てばっかりの生活の中、オレは再び、眠りについたのであった。

そういえば何でさっきドキッてなったんだろぅ…。

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