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人は浅眠の間とんでもないことをしたりする

もう何時間何も話さない時間が経っただろう。

雨は未だ降り続いていて止む気配をみせない。

オレはマットをごろごろしながら寝よう寝ようとずっと思っていた。

だが結局今の状態にいたるワケで…。

頭からさっきのことがはなれない…。

…逆にあんなことがそう簡単に頭からはなれるワケがない!

………。

いや頭から離そう…。

でないと確実にオレは飢え死にしてしまう。

宇佐凪は食料を持っているんだ。

「そのクロワッサンくれないか?」

と言ってしまえばいい話ではないか…!

頭で分かっていても行動できない雰囲気。

オレは一度宇佐凪の方を見て再び背を向けた。

「〜〜〜」

宇佐凪のかすかな呼吸の音。

どうやら宇佐凪は寝ているようだ。

のんきなヤツだ…。

寝たら忘れるという脳を持っている方は本当に幸せな人間だとたった今理解した。

ぐぅぅぅぅ〜〜〜…

あう。

腹の虫は鳴き声を上げる。

今はそんなことを考えている場合ではないか…。

オレは起き上がり宇佐凪のほうを見る。

見れば宇佐凪は紙袋を両手でかかえるように持っているではないか。

都合のいいことに袋は四角形の入り口をつくってひらいていた。

ゴクリ…。

オレはツバをのむとそっと…そっと紙袋へ手をしのばせる。


ガサガサ……


紙袋は形の割に少し深いようでまだ底についた感覚はなかった。

そしてちょうど手首とひじの間くらいまで手がはいったときだ。

指先に何かがあたった。

紙袋の底面だ。

………あれ?

………。

……クロワッサンが…ない!!

まさか宇佐凪のやつ…食べたのか!?

「ん〜〜…」

宇佐凪がハミングをした。

深眠から浅眠になったんだ!

…!

とりあえずこの紙袋は用済みだ!

急いで手を抜こ…………!


ぎゅっ…


とき既に遅し。

宇佐凪は紙袋を強く抱いたのだ。

「ッ!」オレは息をのんだ。

「ん〜ふふ」宇佐凪は楽しい夢でも見ているようでニッコリ笑ってハミング。

四角形の入り口はクシャクシャになり、オレの腕は……。

宇佐凪の…胸の…谷間に………。 



はさまってます……!?


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