2 藤原小春は見た!!
執筆
2018年5月7日。
十数分前。
「なんてお願いしようかな?」
「俺藤原さんと付き合えるようにお願いするよー!」
「へ、へー……。」
「たしかこれって口に出したり人に言ったら叶わないんだよな?」
「嘘っ!じゃあ俺って付き合えないの!?」
「「いやいや、もともと無理だろ」」
「お前ら人の心はもってんのかーっ!!」
「「wwwwww」」
私はなんかあれだなー。
この人達が1番学年で人気あるからこのグループに所属してるけど最近はなんか退屈だなぁ。
清楚系美少女を目指してるわけじゃないけど八方美人というか猫かぶって接するのもなんか違う感じがする。
たしかに楽しいんだけど……もっとこう自分が素直になれるような知り合いが欲しい。
「よしっ!」
「おっ、小春やる気じゃん!」
「えへへー。ちょっと本気で神様に頼んでみようかな!私1000円いれる!」
「え、まじで!?なら俺もーっ!」
「えー!マジで?じゃあみんな1000円出そうよ」
「いいねいいね」
…………何故そうなる?
ま、いっか。とりあえず神様……。
「新しい刺激と新しい出会いが欲しいです」
初詣後、篠山くんはいなくなっていた。
「今からカラオケ行かね?」
「いやいや、正月からカラオケってw」
「私もカラオケはちょっと……」
「なら普通にご飯行こうよ!正月でもファミリーレストランなら空いてるんじゃない?」
「いいねーっ!」
「あ、なら篠山くんも誘ってみようよ」
「え?なんで?」
「へ?なんでって……」
「小春、きっと向こうも迷惑と思うわよ?だってあいつ暗いじゃん?いつもクラスで1人でいるしさ、さっきだって一言も話しなかったじゃん」
「でも………」
「……分かったわよ。なら誘ってみようか」
「…っ!うん!ならすぐ追いかけて連れてくるね!!」
……たしかこっちの方に帰ってたよね?
ったく!みんな篠山くんを遠回しに誘うなって空気出しちゃって!
不機嫌だったのも絶対みんながからかったからだもんね!!
もしみんなが言う通り1人がいいなら私達が来た時点で帰るじゃん!!まぁたしかに帰ろうとしてましたけど!!
「あっ、いた!!」
あれ?何してるんだろう?
あっ、猫ちゃんが降りられなくなったのか。
「……分かったよ。助けてあげる。」
え?助けてあげるって言った?
こ、これはーっ!!
みんなに見返すチャンスだ!!
ここは助ける瞬間をカメラで撮影してみんなに見せればみんなも感心するはず!!
よし、録画開始っ!!
「ニャァァァァァァァアーっ!!」
うわっ、めちゃくちゃ鳴いてる……。
「……え?」
う、浮いてる?
いやいやいや!そんなはずは……。
もしかして夢?
ってこんなくっきりした初夢ありえるかっ!!
「へ?」
「あっ」
……目があっちゃった!!
と、とりあえず話しかけなきゃ!!
「………篠山……くん……。今からみんなでご飯行こうと思っててそれでその…」
気になる!さっきのめっちゃ気になるけど!!なんか篠山くん動揺してるみたいだし聞けない!!聞いちゃいけない気がする!!
「あの……篠山くんも誘ってみようかなって思って……追いかけてきたの……。一緒にご飯行かない……かな?」
と、とりあえず話を逸らして落ち着こう!
「……いや、大丈夫です。家にご飯用意されてるんで……」
「そっか……。残念だなぁ。あっ、それとね!」
「うん?」
あとあけましおめでとうと今年もよろしくってさっき言いそびれちゃったからちゃんと言わなきゃ……
「これって……超能力……だよね?」
「ふぁ!?」
────え?
ぇえええええっ!?
なに聞いてんの私!?間違えた!!
間違えました!!!
気になりすぎて言っちゃった!?
こ、こうなったらなるようにしかならないよね!?
動画撮ったんだけど再生させてみよう。
もしかしたら勘違いかもしれないけど!!
「…………。」
うん、間違いなかった。浮いてた。
「最初猫を助けると思って動画撮ったんだけど………まさか……こうなるとは……ね?」
本当にごめんなさい。
次回
3 小春の脅迫