第五章 エピローグ
ひさしぶりに文字数少ないです。
エピローグのためご容赦ください…
「よーしアリス、じゃあこの辺に植えてみようか!」
「うん、わかったユージ兄! えへへ、楽しみだねえ」
オークを撃退し、ユージとコタローはまた位階が上がった。もともと上がっていたユージの身体能力がまた少し上がったことで、開拓はそこそこのペースで進んでいたようである。
今は夏も終わりに向かい、朝晩は涼しさを感じるようになってきた頃。
ユージたちは家の南側、切り開いた一角を掘り起こし、そこに作物を植えているようだ。ケビンからもらった開拓民の救世種と呼ばれる芋のタネである。
「種イモだけど、見た目はジャガイモっぽいんだよなあ……。これがホントにジャガイモなら料理も保存食もいろいろできそうなんだけど……」
涼しくなってきてから植えてください、冬前に収穫できて栽培期間が短いので救世種と呼ばれているんですよ、というケビンの言葉を思い出すユージ。
種イモの画像とケビンの情報をアップした際、掲示板の住人たちは食いついた。それはもうピラニアのごとく食いついた。もし本当にジャガイモ並みの栽培期間と収穫量なら、ユージの食糧問題はかなり改善される。連作障害は心配だが、そこは開拓地。新しく畑を作ればいい。
煮てよし焼いてよし、揚げてよし干してよし潰してよし。きちんと管理すれば保存期間も長い。下手をしたら、この地にない調理法を提供すればそれだけでケビンに求められた「新しい保存食」のお題を解決できるほどである。
「よーしアリス、植え付けは終わり! ちょっと休憩して着替えたら、見まわりに行くぞー!」
「はーい! 今日はイノシシとかシカさん獲れるといいねえ」
ユージは見まわりと言ったはずである。だが、アリスはすでにお肉が目的になっているようだ。ワンワンッとコタローもアリスに同意の声を上げる。あいかわらず北条家の女子は肉食系である。ちなみにここにはいないユージの妹、サクラも肉食系であった。当たり前である。肉食系だからこそアメリカに移住できたのだ。
「そうだなあ、アリス。でもお肉だけじゃなくて、ゴブリンとかオークを倒して位階を上げるのも大事なんだぞ!」
「うん! またアリスが魔法でえいってやるね!」
そんな言葉を交わしながら、家へと戻っていく二人と一匹。
開拓、魔法の訓練、採取と狩猟、そして位階を上げるため敵性生物を見つけて殺す。
これが行商人のケビンが帰って以降のユージとアリス、コタローの日常である。
夏の間、外に出ていたことでユージは真っ黒に日焼している。
さらに力作業を続けることで筋肉が付き、体もひとまわり大きくなった。
今のユージに10年もの間、引きニートを続けていた面影はない。
肉体的には。
収穫の秋に向け開墾し、二度目の冬に向け採取と狩猟に励む。
その姿も能力も、森の魔法使いというより、立派な開拓者であった。
引きニートが外出するようになり、ぼっちニートへ。
ぼっちニートがアリスを助け、ニートへ。
ニートが冒険者と行商人に出会い、森の魔法使いへ。
そして、森の魔法使いから開拓者へ。
そう、ついにユージは働いているのだ。
もっとも本人は気づいていないようだが……。
ひさしぶりに短いですが、エピローグのためご容赦ください…





