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激化

さて、次に定めた目標は75なのだが


思いの外はやく済みそうだ。


ネズミをぷちぷち、ネズミをぷちぷち


嫌な感触が手に残るが、それでも続ける。


食料と経験値が入ってくるので、続けていて悪いことはあまりないのだ。


元々が一般人で、武術の心得もなく


それを習う環境も無かった俺にとって、この二階層は本当に良い修練の場となっていた。


ただ、攻撃を回避するという一点だけに尽きるが


それでも、攻撃に当たらないことで今後の戦闘を有利に進めることもできると思えばなかなかに面白い。



強制され、褒められるためだけに頑張ることと


自らが楽しみながら上達することでは、成長に大きな差が出ると思っている俺は


戦いを進めるごとに速度を増していくネズミ達と、次第に激化している状態が続いた。


翌日も、翌々日も


足を運ぶ度にネズミ達の戦いは進化している。


中でも驚いたのは、俺の遥か後方からネズミが飛んできたことだろう。


奴らは投石器まで使うようになっていた。


狙いが外れ、俺の頭から少し離れたところを通過していったネズミと目が合ったときは流石にヒヤッとした。



俺と目が合ったネズミは、目に光がなかった。


首を切りつけられて死んでいたのだ。


勿論、俺が切りつけたわけではなくネズミによってつけられた傷だ。


投げ飛ばす物が無いと知った奴らは、同胞の手足を草を捻って作られた物で縛り付け


今も俺の後方で、今か今かと発射の機会を待ち構えている。


当然、縛られているネズミも嫌がるように抵抗している姿は僅かにだが目視することができる。


本当に恐ろしい奴らだ。


そして、俺が後ろを見ながら戦っていたことでまた別の方向からネズミが発射されてきた。



視界の端で辛うじて捉えることができたが、この様子だと全方向に設置されているのかもしれない。


飛んできたネズミが俺に当たった所で、少しよろめく程度にしかならないが


その隙を狙って周囲のネズミが襲ってくることは十分予想できる範疇にある。


これ以上ネズミ達の技術が向上する前に、この二階層を攻略してしまわなければいけない。


リーダーネズミを排除すれば、このネズミ達は数が多いだけの無能となる。


はずだった。


ところが、リーダーネズミを排除してもネズミ達の動きに迷いや戸惑いは見られなかった。



それどころか、今まで以上にトリッキーな動きで俺の周囲を飛び回り


それでいて互いにぶつかることもない。


投石器から放たれるネズミも次第に増えた。


俺に正確に狙い撃つよりも、とりあえず投げておこうというスタンスに切り替わったのだろうか。


本当に数だけは多いので、捌いているのが精いっぱいだ。


それでもネズミ達の猛攻は激しさを増し、俺のHPを確実に削っている。


このままじゃまずい


そう思ったとき、投石器の方で新たなリーダーネズミが旗を振り下ろしているのを見てしまった。


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