またかよ
ルカは俺に気付くと、すぐにすり寄ってきた。
鼻の頭を撫でてやり、肉塊を持って行ってもよいかと問いかけると
ゆっくりと首を縦に振った。
切り分けてポーチに入れて、ルカを小屋から庭へと出してやる。
「さ、いっぱいお食べ」
思っていたよりも小食であったため、しばらくはルカのエサに困ることはなさそうだ。
ルカが食べ散らかした跡をあおいが追って、逃げ回る虫を食べている。
「よし、そろそろ行こうかな」
目的地はダンジョン、四周目のダンジョンだ。
「さて、早速・・・っと」
レベル:50 HP:500/500 技能:鑑定 幸運(微) 瞬間移動 鬼人化
うん、米印は消えている。
ゆっくりと階段を下り、一階層に辿り着く。
見覚えのある光景だ。
星空のような、宇宙のような
そう、その景色は依然と全く同じだったのだ。
今回はまともに戦ってやる必要もない、レベル上げも兼ての殲滅戦を始めよう。
極炎石を使用し、広範囲を焼き払うと
アイテムがたくさん落ちていたが
主にスターアイと鉱石粘土だったため、あまり変わり映えしない物だった。
低階層でのレベル上げは、あまり効率的ではないが
時間をかけて狩ることで、確実に安全に狩ることができる。
ましてや、既に四周目のダンジョンだ。
ここから下には、オーガのような強敵が住み着いてる可能性はかなり高い。
なので、この一階層での目的は主にレベル上げとなる。
現在のレベルでは、なかなかレベルも上がらないので
極炎石と極氷石を一定数残して、残りは全て使い切るつもりで望まなければいけない。
目標として、まずはレベル70を目指そうと思う。
それから三週間もの間、同じことを繰り返す日々が続いた。
ダンジョンに下りては極炎石、ダンジョンに下りては極氷石
飽きるんじゃないかと何度も心配になったが、それでも無事にやり遂げた。
レベル:70 HP:695/695 技能:鑑定 幸運(微) 瞬間移動 鬼人化
やっとだ。
やっとレベルを70にすることができた。
これまでの間に変わったことは、庭の雑草の量くらいのものである。
雑草地帯だった庭の半分以上が、既にルカによって耕されていた。
目標の70になったことで、嬉しさと達成感で十分満足だ。
目標にさえ至ってしまえば、変わり映えしない階層とはおさらばだ!
意気揚々と二階層へと下りていくと、次のステージは草原だった。
「またかよ・・・」
ネズミに囲まれてしまった。
丘の上にオーガが居なかったので、油断をしていた結果がこれである。
「そういえば居たな、こんなの」
相変わらずの綺麗な連携で、ネチネチとした嫌な戦い方をしてくる。
だが俺にも短剣が増えたのだ、攻撃を受けたが痛くもないので余裕を持って応戦できる。




