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宝石

砂を吸い込まないように息を止め、少し離れた所へ避難した。


移動した先で、岩をどけた場所を凝視していると


カニの鋏のようなものが砂から生えていた。


先ほどの激痛は、恐らくこの鋏による痛みなのだろう。


それを確認するために、水が綺麗になるのを待ってから


再び岩があった場所へと戻った。


海底に足をつけないように、鋏の上まで泳いでいくと


その鋏を掴んで一気に引き抜いた。


途中で鋏が千切れることもなく、巨大なカニが姿を現したので


急ぎ、もう一方の鋏も掴んで封じた。



巨大ガニは、胴体の大きさだけでも一メートルはありそうだ。


カニも魚と同様に、しばらく捕獲していると動かなくなった。


仕舞うことのできない大きさなので


とりあえず背負って歩くことにした。


欲を言うならば、先ほど見たエビを捕獲したいところなのだが・・・。


ほぼ直進していただけなのだが、視界にはうっすらと扉が見えてきた。


水中に扉など、何を考えて作られているのだろうか。


首を傾げつつも、そのまま扉に触れると


その扉は消えてしまった。



レベルも上限で、目立ったモンスターもいない最下層。


それならば、さっさと攻略してしまった方がいいのかもしれない。


扉の奥も水で満たされていて、押し流されるようなこともなかったので


あまり警戒しないでも大丈夫そうだ。


歩くたびに、サクサクと砂に足が埋もれる音が聞こえてくる。


その音がまた落ち着くのだ。


扉の先の通路を抜けると、そこには宝箱が置いてあった。


これは前回と同じだが、ビー玉はついていなかった。


しかし、ビー玉の代わりに


宝箱の中には綺麗にカットされた宝石が詰まっていた。



「まいったなー・・・、どうやって持ち帰ろうか。」


三角コーナーネットとツールバッグに詰め込めるだけ詰め込んで


服をたくし上げ、袋状になった所へと宝石を放り込んでいく。


それでも半分ほどは残ってしまったのだが、持ち帰れないものを嘆いたところで解決する問題ではない。


ここはスッパリと諦めよう。


そう決めた途端、俺の視界は一瞬のうちに切り替わっていた。


それは同時に、三周目の攻略が終了したことを知らせていた。


足元を確認すると、階段はまだ残されていた。



「いつまで続くんだろうな」


先が見えないダンジョン探索に、少しばかり不安になるが


ここに現れてしまった以上、俺にはここを正常に戻す義務がある。


ひとまず宝石を縁側にばら撒いて、種類ごとに別けてみた。


魔石(黒):闇の力を取り入れた宝石


魔石(白):光の力を取り入れた宝石


極炎石  :ファイアの魔法が封じられた石


極氷石  :アイスの魔法が封じられた石


極風石  :フライの魔法が封じられた石


「なかなか便利そうだな物が手に入ったな、だが少し勿体無かったな」 



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