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「こんにちは、最近はどうですか?」
恐らくダンジョンのことだろう。
「ええ、先日も危ない目に会いましたよ。ほんと死ぬかと思いました。」
あはは、と笑いながら答える。
百鬼さんは身体が大きく、力持ちなのだが
レベルの上がった俺には腕相撲で勝ったことが無い。
百鬼さんにレベルのことを教えた際に、百鬼さんも連れて行ってほしいと頼み込んできたのだ。
丁重にお断りをし、石川さんに伝えたことを
そっくりそのまま言い放ったのは、まだ記憶に新しい。
適当に挨拶を終え、ポーチにしまいこんでいたスターアイをザラザラと樽に流し込んでいく。
樽を半分ほど埋めたところで、ポーチのスターアイが尽きた。
これで全てだと伝えると、百鬼さんはビニールシートを被せて
ロープで縛って蓋をしてから台車に載せた。
「では、仕事があるのでこれで。今度遊びに来てくださいよー!」
台車を押して歩きつつも、しっかりと顔はこちらを向いている。
俺も軽く会釈をしてから家に入り、二層を攻略するために準備を始めた。
オーガを倒した際に、そのまま三階層へ進むことができればよかったのだが
あの状態で三階層へ向かい、何かがあったら走って逃げることさえ出来なかっただろう。
今回もまた、オーガのような強敵が現れたら迷わず帰って寝よう
そう心に誓い、踏み込んだ二階層は
最初と同じ小部屋が三つあるだけだった。
当然の様に襲ってくるのはコウモリとネズミなのだが
以前のように予測で戦う必要は無いようだ。
というのも、ネズミの猛スピードの跳躍を目で追いかけることができるようになっていたのだ。
横を通り過ぎるネズミを捕まえ、壁面に叩きつける。
それだけでも十分に倒すことができた。
コウモリも強化されたツルハシで振り抜けば一撃で倒れる。
ヘビとの再戦も考えたが、目標からそれるため
今回は見送る事にした。
それから程なくして、下へと続く階段を見つけたのだが
その階段がうすぼんやりと青白く発光していた。
ゆっくりと階段を下っていき、三階層へとたどり着いた。
三階層は壁面に、階段と同じような発光する金属が所々で飛び出していた。
ブルーメタル:青く輝く金属
ふむ、そのまんまだ
だが、この金属には見覚えがある。
包丁だ。
俺の手元にある包丁も、このブルーメタルと同じ色をしているの。
ツルハシで壁面を削ってみると、ブルーメタルがゴロリと地面に落ちる。
今回は三階層でもモンスターは見当たらなかったが
ブルーメタルだけでも十分な収穫だろう。
目的の二階層の攻略はすんなりと終ったので、一旦引き上げることにした。
そして、ダンジョンの新着情報に大きく書かれていた記事に驚愕する。




