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欲望

「んーっと、行って帰ってで移動回数は四回だからHPは40減っているはずなんだよな?」


だが、確認したHPは60減っている。


考えられる可能性としては、二人を連れて三人で帰ってきたことだろう。


この際の人数で考えれば減っているHPと消費HPがピッタリ合う。


ま、考えすぎもよくないか。


「さて、とりあえずお疲れ様でした。」


二人と別れ、俺も明日の準備をしてすぐに床についた。


移動時間が省けるようになったので、お昼までぐっすり眠れそうだ。



予定より少し早い時間に目が覚めた。


「んー!ん、少し早いが行ってみるか!」


伸びをした後に病院へ行く準備をする。


といっても先日あまったスターメロンと一緒に、新たに採ったスターメロンを一緒に持っていくだけなのだが。


今日の最大治療人数は九人だ。


伊崎さんも検査の結果が出るのは今日のお昼なので、まだ出発までには時間がありそうだ。


パソコンを立ち上げSNSを開くと、メッセージが山のようにきていた。


え、まって!コレ全部読むの!?



とりあえず石川さんに相談のメッセージを飛ばし、一番最初にきていたメッセージから順に返事をしてみた。


内容は様々だが、『合成お疲れ様です。』や『嘘つき。』などの稚拙なメッセージがいくつか見られた。


その他の内容では、『ペットをください。』や『いくらで売ってくれますか?』という欲望に塗れたメッセージが大半だった。


俺はこんなメッセージを読んだところで心にくることも、頭にくることも無い。


伊達に人生を過ごしてきたわけでもないし、実家に住んでいたときはこんなものじゃなかったからな。



読み進めていくうちに、石川さんからメッセージがきていたのでそちらを読むことにした。


石川さんによると、このメッセージ機能は制限をかけることができるらしく


お互いに友達登録をしている人とだけのやり取りも可能なのだとか。


書かれていた手順通りに設定を変更して、日記へのコメントだけは制限をかけないでおいた。


善意や悪意といったものはどうでもよくて、ただ純粋に感想を述べられることが嬉しかったのだ。


石川さんにお礼のメッセージを飛ばしてから、再び大量のメッセージに目を通していくのだった。



「ん、そろそろ時間か。」


ふと時計を見るとお昼に近付いていたので、病院の受付カウンター前へと移動する。


「あ、しまった・・・。」


移動自体は問題なかったのだが、患者さんや看護師さんがいる前で


急に人が現れたら、その後どうなるかなど考えなくてもわかる。


病院に来ることなど、今日の治療が終れば滅多にないだろうが


後で院長に、目立たない場所でも教えてもらおう。


さて、とりあえず受付だ。


「こんにちは、驚かせてしまって申し訳ない。院長と会う約束があるのですが、取り次いでもらえますか?」


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