ムカデ
穴から猛スピードで現れたのは、予想道理モフモフだった!
だが、そんな猛スピードで出てきたのだ、モフモフは自ら固定されたツルハシに激突し、光となって消えていった。
モフモフのサイズと穴の大きさからして同時に通れるのは一匹が限界だ。
その後も続々と光が浮かぶ現象に気を取られながらも、何とか鑑定することが出来た。
ラビット:毛の長いウサギ
うん、ウサギだった。
5分ほどでウサギの混乱も落ち着いたようで、激突死現象も収まった。
しかし、残ったこのアイテムどうしよう・・・
ラビットの毛皮:もこもこした長い毛の皮
ラビットの肉:運動不足なラビットの肉
「うん、運動不足か」
あれだけの速度で走ることが出来るのに運動不足とはもったいない!
再び探索を開始し、程なくしてから三階層へ続く階段を見つけたが
以前の一階層のように、リセットの対象外になる可能性がある。
二階層での探索を始めてからは、一階層で出会ったモンスターとは一度も会っていない。
もしも・・・もしもこのまま三階層へ向かったら
モフモフにあえなくなる可能性がある!!
ここで戻れば、次にきた時にハチと再び遭遇することが考えられる。
だが、一番考えなければいけないのはレベルだ。
レベル:3 HP:40/40 技能:鑑定
「レベル3か・・・次の階を探索するには少し不安が残るかもな。」
レベル2になってから二階層に来たものの、ハチとはまともに戦う事すらできなかった。
ならば
「ハチと真正面から戦えるようになったら下りよう!」
と、声に出して心に決めた。
そして、一階層への階段へと足を掛けたとき、背後から音が聞こえた。
ギシッギシッと何かが軋むような音が・・・
「何の音だ?」
左右を見回しても壁があるだけ、床には何もいなかった。
最後に恐る恐る天井を見上げると
そこには巨大なムカデがいた。
落下してくるムカデを回避すると、ボテッと音を鳴らして地面でウネウネし始めた。
「くそっ!さっきまでいなかっただろ!!」
大声をあげてふと気づく。
ああ、ここはダンジョンだ、当然リポップしてもおかしくないのだと。
そしてそれと同じく、たった総時間が半日程度の探索で
この階層における全ての種類のモンスターを確認したと思い込んでいたことを後悔した。
だが、いまならやれる!
判断してからすぐに動き
包丁でムカデの頭を地面に縫いつけた。
ムカデが包丁を基点に自らのからだを巻きつけると、光となって消えていった。
どうやらここの昆虫は根性が無いようだ。
しかし助かった、もしもあのまま奴が俺に覆いかぶさったとしたら・・・
そんなことを考えてしまう。
実際にはしっかりと倒せたわけなのだが
正直これはマグレだと言ってもいい
いや、マグレ勝ちと言う以外になんと言えばいいのか言葉を探してしまうほどに
今回の勝利はギリギリだったのだ。