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蟻の一穴

だが、すぐに突撃していくことは出来ない。


あの音が聞こえているのだ、動きは遅くとも数が居る。


「どうやって倒そうか・・・」


包丁を投げてみるか?うん、やってみよう。


部屋の真ん中を狙い、おもいきり投げつけるとキィー!と甲高い悲鳴が聞こえた。


「よし!大当たりだ!」


以前の経験でいうなら、部屋いっぱいにイモムシが居るわけなので当たるのは当然なのだが・・・


「ん?なんだ?」


当たったイモムシは一匹だけのはずなのだが、悲鳴の大合唱が始まった。



イモムシの隠蔽機能が切れて、ようやく状況が理解できた。


一点のイモムシが崩れれば、その上に居たイモムシの山も崩れる。


「蟻の一穴ってやつだな・・・」


それだけに止まらず、臨戦態勢のイモムシはすぐに吐き出せるように酸を口に溜めているのだ。


それが崩れれば、当然下に居るイモムシに酸が掛かるわけで・・・


俺は今どんな顔してこの状況を眺めているのだろう。


崩壊が終わり、隠蔽の解けたイモムシが数匹残っていたので


それを倒してアイテムを掻き集めた。



最初の、あと九本を確保するという目標は軽く達成されてしまった。


掻き集めた万能薬の数は、なんと九十本!


そんなに冷蔵庫に入らないので、ポーチの中に保管することとなる。


レベル:40 HP:320/320 技能:鑑定 幸運(微)


うん、随分と上がったものだ。


「さて、いきますか!」


二階層はどんな風に変化しているのだろう。


期待を胸に、二階層への階段を下りていく。


そして、下りきった先に見えた光景にガッカリとした。


以前と何も変わりのない二階層だった。



「まあ、仕方が無いか。」


まだモンスターに遭遇してはいないが、変わっていないのならそれはそれで助かる。


食材を落とすモンスターがダンジョンに残っているということになるからだ。


よしっ!と気を引き締め、壁に背を付け


じわりじわりと探索を始める。


「ん?これは・・・」


今日は当たり日かもしれない。


足元に穴が開いていた。


ウサギの巣穴だったものと、サイズが同じなら全く同じものだった。


その穴は、以前よりも多少大きいものだった。



「どうしたものかな・・・」


発炎筒は既に使い果たしている。


代わりになるものは無いのだが、適当に何かを投げ入れるくらいなら試してみてもいいだろう。


「よし、あれにするか!」


イモムシを大量に倒したので、イモムシ関連で酸を投げ入れてみることにした。


数もあるし、使い道も無いので使い捨てるには最適なのだ。


念のため、ツルハシを出口で構えてから投げ入れる。


カンッコンッと、とても試験管が鳴らすような音ではないのだが


実験はうまくいったようだ。


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