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警備員

「あ!すっかり忘れてた!」


石川さんの分のスターメロンの種を渡しに行く前に、満足して帰ってしまった。


「翠!」


呼べばすぐに着てくれる翠


すぐに跨り旅館へ、と告げればすぐに走ってくれた。


「石川さーん!」


旅館の駐車スペースで右往左往している石川さんに声をかけると


手を振りながらこちらに向かってきた。


「井出さん!見ましたよー!」


早いな!まだ一時間も経ってないぞ!


「ありがとうございます。石川さんも今日からですよね?」



「はい!従業員も連れてきたので、あっという間に開業準備が出来ました!」


うん、それなら丁度いいだろう。


「スターメロンって知って・・・・ますよね。」


古谷さんの呟きを見ていることを前提で聞こうと思ったのだが


問いかけようとしたところで、石川さんの目がキラキラしはじめたので


言葉を飲み込んで言いかえた。


「どうぞ、スターメロンの種です。」


苦笑いしながら受け渡すと、石川さんは首を傾げて


「スターアイ・・・ですか?」


と、問いかけてきた。



実は、と合成樹のことを教えると


いいなー、欲しいなーと言い始めたので


「ごめんなさい、これはちょっと・・・」


とお断りをしておく。


まだ二つ残っているが、その特性が特性なため悪用される事を考えてしまう。


石川さんや古谷さんは問題ないだろう


だが、お客さんは別だ。


うちにはプラムを中心に警備体制が整っているが、ここではそうはいかない。


目に見えてションボリとする石川さんには申し訳ないが


こればかりは譲ることは出来ない。



そのかわりに


「レイズー!」


と、少し声を張って呼べば猛スピードでレイズが駆けてきた。


「新しいうちの子です。」


俺の呟きは既に見ているので、当然レイズのことも知っているだろう。


「わ、わ、!わんちゃんだ!」


ワシャワシャとレイズを撫でる石川さんに、先程の落ち込んだ様子は見られない。


うん、これならいいか。


「石川さん、先日起きた事件はご存知ですよね?」


「はい、あの窃盗犯ですよね?」


許せませんよね!と大変お怒りのようだ。



「そこでですね、この旅館にレイズを置いてみませんか?」


ご飯はうちで食べさせるが、警備としてレイズは優秀だ。


「24時間というのは流石に無理ですが、古谷さんの所も含めての警備員としてどうですか?」


古谷さんは古谷さんで、あの事件からすぐに警備員を雇っているが人手?は多い方がいいだろう。


その辺りは帰りに聞いていこう。


「はい!こちらとしては喜んで受け入れますよ!」


よろしくねー!とレイズの背中に顔をうずめる石川さん。




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